:::引用:::
県内で働く外国人技能実習生が今年1~3月の2か月間で156人減り、過去最大の下げ率となったことが、財団法人「国際研修協力機構」(東京)の推計でわかった。景気後退を背景に契約途中の解雇などが相次いでいるためだ。実習生の減少は、受け入れを仲介する団体の経営悪化も招いている。
同機構によると、実習生は3月に2415人と、1月の2571人から6・1%減。月別統計が残る03年度以降、2か月間の下げ率としては最大だ。全体の約9割を占める中国人も、2257人から2114人に急減した。
県内の実習生は03年4月の786人から、ピークの今年1月まで3・3倍に増えるなど増加傾向だったが、今年に入り、減少に転じた。急減の理由について、同機構富山駐在事務所は「業績悪化で企業が解雇するケースなどが増えた」と話す。労働基準法では、30日以上分の賃金にあたる「解雇予告手当」の支給で解雇でき、富山、石川、福井の3県で2月以降ほぼ毎週、計約20人が帰国を余儀なくされている。
将来の実習生も減っている。外国人は、来日1年目の「研修生」から、2年目に「実習生」となるが、実習生の受け入れを仲介する富山市内の団体は「研修生は今年、計5人だけで、いつもの3分の1」と話す。
仲介団体も苦境 同駐在事務所は、解雇された実習生らを同業種の他企業に紹介するなどの対応を図る。だが業界全体が同じように苦境なため、紹介が成功したのはこれまでに1件にとどまる。
一方、実習生の減少は、受け入れ企業からの「管理費」で賄う仲介団体の経営を圧迫している。企業側は通常、研修生1人あたり約4万円、実習生の場合約2万円を「管理費」として仲介団体に支払うからだ。
同駐在事務所によると、県内の40以上の団体のうち少なくとも1か所で受け入れ実績がゼロとなった。従業員の休業手当を助成する国の「雇用調整助成金」の申請を求める団体も出てきた。
富山市内の仲介団体は「解雇を求める企業の再考を促し、実習生の支援にも奔走しているが、今年度の赤字転落は必至」とため息をつく。
(2009年4月1日 読売新聞)
●●コメント●●
0 件のコメント:
コメントを投稿