奥州市多文化共生推進大会(市、市国際交流協会主催)は18日、同市水沢区のホテルで開かれた。「世界にや さしい奥州市をめざして」を主題に、同協会が策定した「多文化共生マスタープラン」の発表やパネル討論を行った。文化の共存を促す行動計画の策定は全国的 にも珍しく、参加者は理念具体化への道筋を話し合った。
日本人、外国人市民合わせて約220人が参加。発表されたプランは2009年度からの3カ年計画で、外国人市民の実態調査を基に、外国人市民と同協会などで構成する策定委が今月まとめた。
具体的には▽日本語教室の拡大▽地元FM局での多言語放送▽通訳の育成と紹介▽育児支援拡充▽災害時対応▽出身国別ネットワークの構築-など19項目を盛る。言葉の壁による情報不足や地域での孤立などで医療や教育、就労などの場面で生じる壁を解消する。
実行には市や社会福祉協議会、民間事業者などで連絡会議を設け、進行管理する。異文化を「まちの宝」とし、語学や異文化講座の講師など、外国人市民がまちづくりに加わる土壌もはぐくむ。
発表後、宮城学院女子大のJ・F・モリス教授、盛岡大の伊藤麗春講師、達増知事、岩井憲男副市長がパネル討論。モリス教授は「行政は強力に後押ししてほしい。外国人も市の将来を担う市民だ」と強調。
伊藤講師は「みな仕事などを通じ社会貢献し地域の人に認められたいと思っている。地域の皆さんの応援を」と呼び掛けた。
奥州市の外国人登録者数(08年12月)は10年前の約2倍に当たる541人で、総人口の0・42%。国籍は中国が53%と最も多く、フィリピン、韓国または北朝鮮、インドネシア、ブラジルなど多様化している。
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