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2008年の人材派遣会社の倒産件数が49件にのぼり、景気が拡大基調にあった3年前と比べて3.8倍に急増したことが、民間調査会社の帝国デー タバンクの調査で28日、明らかになった。昨秋以降は大企業による“派遣切り”の動きが進んでおり、帝国データバンクでは今後も人材派遣会社の倒産は増加 する可能性が高いと警戒している。
≪人材確保に苦労≫
調査では、01年から08年の間に起きた人材派遣会社の倒産動向を分析。その結果、8年間で計162社が倒産し、特に08年は顕著な伸びを示した。
倒産時の負債額を規模別にみると、1億円未満の中小企業が117件(72.2%)を占め、10億円以上の大手は3件(1.9%)にとどまり、中小の倒産が圧倒的に多かった。
中小の人材派遣会社の苦境について、帝国データバンクでは「大手との二極化が進み、体力の弱い人材派遣会社の淘汰(とうた)が進んでいる」と分 析している。業界では、大手企業がグループ内の人材確保のために設立した系列人材派遣会社が多数参入しており、中小の独立系企業は人材募集や派遣先の確保 に苦労している。
ただ、倒産件数の中には、大手企業がグループ再編の一環として人材派遣会社を整理するケースもみられた。調査結果は倒産企業名を明らかにしてい ないが、162件の倒産のうち、親会社が子会社を整理する際に用いられる特別清算手続きは8件(4.9%)で、全業種の平均(08年は2.7%)を大きく 上回っている。
会社設立から倒産までの期間別に分類すると、5年以上10年未満が53件(32.7%)で最も多く、10年以上15年未満が27件(16.7%)、20年以上30年未満が23件(14.2%)と続いた。
≪失業40万人試算≫
厚生労働省が先月末にまとめた調査によると、昨年10月から今年3月までに失業したか失業が決まっている非正規社員は8万5012人で、このう ち派遣社員は5万7300人と約7割を占めた。一方、日本生産技能労務協会など2団体は27日に自民党の研究会で、同期間に非正規社員の失業は約40万人 にのぼるとの試算を示し、人材派遣や人材請負市場は壊滅的な状況に陥っていると訴えた。“派遣切り”の拡大は収まる気配をみせていない。
失業者が増えれば、人材派遣会社への登録者数も増えて登録業務は多忙になるが、反対に企業側が派遣社員の受け入れを厳しく抑制しているため、派遣会社は派遣実績の急減や収益悪化が避けられない情勢だ。
また、大手メーカーなど企業へ専属的に人材を供給してきた派遣会社ほど、大幅な受注減で経営難に追い込まれやすい側面もあり、帝国データバンクはこうしたケースが今後の倒産件数増加を後押しする可能性があるとみている。
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2009-01-29
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