中国大手通信メーカーの中興通信(ZTE)は、さる12月5日、フランステレコム(FT)との間でR&Dに関する長期協力協定を締結した。 パリで行われた調印式にはフランス公式訪問中の温家宝総理とドビルバン首相らが列席、全16件におよぶ中仏経済協力重要プロジェクトの一つとして位置づけ られたものだ。
ZTEとFTは今回の協力協定に基づき、今後テレコミュニケーションとIT領域を中心に、長期スパンでR&D協力を展開させていくことにな る。そのスタートとして、同日ZTEはヨーロッパR&Dセンターの設立を発表した。当センターの役割は、FTと周辺国の関連企業に対し技術サポー ト、トレーニングを提供することだ。また、FTの全世界50カ国にも及ぶグローバル・ネットワークからのニーズを対応するため、ZTEは今後早急に国際業 務体制の改革と合理化を行うと宣言した。
FT会長兼CEOのDidier Lombard氏は「FTはこれまで、最も先進的なテレコミュニケーション技術、ソリューションを全世界のユーザーに提供できるよう努力してきた。中国を 代表する通信メーカーであるZTEとこのたび長期にわたる研究開発協力で合意できたことは大変喜ばしいこと」と語った。
ZTEはこれまでも、FTとの協力で一連の具体的成果を上げてきた。ZTEからFTへのブロードバンド・データ製品の提供、FTによる3Gシステム 設備ベンダーとしてのZTE認定、FTによるZTE向け海外商業3Gネットワーク調査などがその例だ。これらを踏まえ、ZTE総裁の殷一民氏は、「世界の リーディング・テレコムであるFTとの協力は、ヨーロッパにおけるユーザーのニーズ把握と、ヨーロッパ市場におけるZTEの競争力の強化にとり非常なプラ スだ。今回の協力協定は、ZTEとFTの協力関係をこれまでの単なる設備取引から、より広範な領域、よりハイレベルなものへと進化させていくだろう」と協 定締結の意義を強調してみせた。今年になって、ZTEの海外戦略はきわめて活発な展開をみせているが、FTとの提携で、今後は本格的な対西欧戦略が始まり そうな気配だ。
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