2009-01-28

生活危機:不況でも人手不足 1次産業や水産加工、厳しい業務を敬遠? /北海道

:::引用:::

 雇用情勢が悪化する中、道内では地方の1次産業や水産加工業が逆に人手不足に悩んでいる。早朝勤務や単純労働を敬遠する求職者が多いことが原因と みられる。一方で、雇い主が住居を提供し住み込みで働ける職場もあり、各地の公共職業安定所は「ぜひ相談してほしい」と呼びかけている。【金子淳】

 「この業界は慢性的な人手不足。やる気があるならいつでも雇いたい」。坂東牧場(日高管内日高町)の坂東正積社長は人材難の現状をこう語る。

 競走馬約240頭を飼育する坂東牧場。馬の世話をする厩務(きゅうむ)員や事務員など約80人が働く。厩務員の勤務は午前6時ごろから午後5時ごろまで。肉体労働の連続だ。

 独身寮と家族用の社宅を完備。通年で従業員を募集しており、応募の問い合わせはこれまで半年に1件程度だったが、昨年7月ごろから月3~4件に増 えた。他業種からの転職希望者が目立ち即戦力にはなりにくいが、坂東社長は「馬が好きで情熱があれば未経験でも雇いたい。待遇は経験に応じて優遇する」と 語る。

 坂東牧場がある浦河職安管内の有効求人倍率(昨年11月)は0・75倍で全道平均(0・43倍)を上回る。求人の約3割を牧場が占める。早朝勤務などを敬遠する求職者が多いため定着しにくく、職安は「体力的な問題から短期間でやめてしまう人もいる」と話す。

 オホーツク海沿岸の紋別職安管内では、水産加工業が求人の2割近くを占める。ホタテの貝むきなど単純作業が多いため若者が集まりにくく、労働者の高齢化が進んでいる。紋別市内の水産加工場は「応募がないので中国人研修生を受け入れてしのいでいる」。

 海外スキー客に人気のニセコ地域では、観光産業の求人が活発だ。スキー場やホテルなどが冬季限定で募集するケースが多く、岩内職安管内の有効求人 倍率は道内一の1・25倍だった。職安によると、今季は例年より応募が少なく、必要人員がそろわない会社もある。担当者は「不況のため通年で働ける職場を 探す人が多いのでは」と推測する。

    ◇

 道労働局によると、昨年11月時点の道内の新規求人数は、前年同月比4092人減の1万5351人。産業別にみると、農林水産業以外は減少した。


●●コメント●●

0 件のコメント: