甲南大(神戸市東灘区)は26日、就職の内定を取り消された卒業予定の学生が4月以降も新卒として就職活動を続けられるよう、授業料の代わりに前・後期各5万円の「特別在籍料」を納めれば、最大1年間在籍できる特例措置を設けると発表した。
同様の措置は、法政大や青山学院大など関東の大学にあるが、近畿では初めてという。
特例措置では、文系70万6000円、理系103万7000円の年間授業料を事実上、10万円に減免。授業は受けられないが、就職活動をサポートする。
甲南大では26日現在、宝飾貴金属小売業や人材紹介業などで就職を希望した学生6人が内定を取り消されたり、内定先が倒産したりするなどし、新たな就職先が決まっていないという。
広島県立広島大は、急激な経済、雇用情勢の悪化に対応するため、4月から入学予定で、保護者が失業などで学費の支払いが困難な学生に対して、インターンシップ(就業体験)型の学内アルバイトを提供する方針を明らかにした。
対象期間は1年間で、10人程度を想定。年間授業料(53万5800円)がまかなえるようにする。
仕事は、大学主催の地域貢献事業の事務補助や高校生に対するキャンパスライフの説明、大学説明会などでの業務補助などで、授業のない時間帯や週末などを利用して行ってもらう。
合格者にチラシを配り、10人程度を募集する。同大教学課は「学業に支障をきたさないよう、学生と相談しながら仕事を紹介していきたい」としている。
(2009年1月27日17時38分 読売新聞)
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