昨年10月から今年3月までの半年間に派遣社員ら1万人の失業が見込まれる愛知県で、昨年1年間に派遣社員が賃金未払いや解雇をめぐるトラブルなどを訴え、労働基準監督署に申告・処理された件数は、前年比36%増の462件だったことが愛知労働局のまとめで分かった。
愛知労働局によると、県内14労基署へ労働基準法違反の訴えが申告され、是正勧告などの処理が行われたのは、全17業種で昨年比16%増の 2359件。このうち派遣業は申告処理件数、増加率とも最多だった。訴えの内容は「賃金の未払い」「解雇予告手当が支給されないまま解雇された」などが多 かったという。
同局監督課は「昨年は春から派遣業の申告が多かった。昨秋以降の『派遣切り』の影響がないとは言えないが、今後、さらに(状況が)明確になってくるのではないか」と話している。
◆外国人の相談も増加
一方、愛知労働局が開設している「外国人労働者相談コーナー」への昨年一年間の相談件数は2449件で前年比6%の増加にとどまったが、相談内容 の内訳では過去4年最多だった「賃金関係」に代わり、「解雇ほか契約一般」が同3割増の832件で最多となった。さらに、「労働時間関係」の相談は635 件と前年比7割増で、「『解雇予告後に有給休暇を取れるか』『解雇されたので今まで我慢してきた未払い残業代がほしい』といった、解雇関連の訴えが多 い」(同課)という。
東海労働弁護団事務局長の樽井直樹弁護士は「労基署の申告処理件数は労働基準法上の問題だけを扱っており、実際には同法の枠外の解雇トラブルが急 増している。外国人の相談増加は、真っ先に外国人が解雇される現状からすれば当然だ。労働者は泣き寝入りせず権利を主張していくべきだ」と話している。
●●コメント●●
0 件のコメント:
コメントを投稿