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アルコールやギャンブル、薬物などの依存症患者の治療の一環として、横浜市中区弥生町の「大石クリニック」(大石雅之院長)が、福祉施設や企業などへ患 者を紹介する”人材派遣事業”に乗り出している。誤解や偏見を持たれやすい患者たちを仲介することで雇用者側に理解されやすくなるといい、就労による患者 の社会復帰を目指している。
大石クリニックは依存症などの外来患者を扱う専門医院。十六年前から患者の社会適応訓練を行ってきたが、「賃金を得ることで働く意欲にさらに高めた い」(大石院長)と、二〇〇七年八月に横浜市の障害者就労移行支援事業として「わくわくワーク大石」を立ち上げた。〇八年九月には就労継続支援事業(A 型)にも登録、福祉施設や企業での就労が可能になった。同市によると、依存症に特化して派遣事業に取り組む団体は極めて珍しいという。
ワーク大石では、これまでに市内の老人福祉施設など二カ所で計五人が就労。このうち、男性二人が今月十九日から、同市保土ケ谷区川島町の特別養護老人 ホーム「かわしまホーム」のデイサービスセンターで働き始めた。二人は大石クリニック系列のデイサービス施設で研修を行い、すでに介護員の資格を取得。そ れぞれ週三回、お年寄りの食事や入浴、排せつなどの介護を行っていく。
ギャンブル依存症の男性(35)は六年ほど前から大石クリニックで診療を受け始めた。男性は競馬や株、先物取引などにはまり込み、二千万円の借金を抱え て自己破産。いまは生活保護を受けクリニックに通院する傍ら、同ホームと同市中区寿地区のヘルパーステーションで働いている。
男性は「ホームに社会貢献に来る地域のボランティアや高校生を見ていると、お金に支配されていた価値観が少しずつ変わってきた。お年寄りと触れ合っていると、人間って温かいなと思う」と話した。
認知症のお年寄りと一緒に昼食を取り、食べこぼしたお年寄りの口元をふくなど細やかに気遣う。そんな姿を見て、お年寄りたちは「やる気があっていいわね」(八十歳の女性)と温かく見守っている。
現在、大石クリニックの依存症患者約二百人のうち、十数人が介護員資格を取得している。大石院長(53)は「働くことで依存症からの脱出や生きがいにつ ながる」と就労効果を実感。「依存症患者と分かるとなかなか雇ってもらえないが、派遣会社としてクッションが入ることで雇用側からの信頼を得やすくなる」 と話している。
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2009-01-26
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