2008-09-08

スコープ 自民党総裁選 得意分野へ争点拡大

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自民党総裁選は7日、出馬が固まった議員らが、講演や報道番組を舞台に政策論争を続けた。同総裁選では、経済 政策が最大の争点とみられているが、この日の論争では外交・安全保障や少子化対策など、それぞれの得意分野にも積極的に言及。争点は広がりを見せ始めてい る。 (自民党総裁選取材班)

 本命視される麻生太郎幹事長は同日、地元・福岡県飯塚市で講演し「財政はきちんと再建しなければいけないが、今、極めて景気が悪い。財政出動する タイミングではないか」と、経済政策を中心に訴えた。物価高の影響で経済問題は国民の関心が高いとみて、総裁選はあくまでこれで乗り切る作戦のようだ。

 この日はテレビ出演などがなかった与謝野馨経済財政担当相も総裁選では経済政策を前面に掲げる構え。消費税増税論議から逃げずに財政再建を行おう という持論を展開することで、麻生氏の政策が無責任な「ばらまき」であることを際立たせ、自身が浮上するチャンスをうかがっている。

 これに対して石破茂前防衛相は報道番組で、弱者対策や、ライフワークである外交・安保問題を前面に。「総裁選で外交・安保が論点にならないのはお かしい。民主党は右から左まで両極端で、どうやって国の安全が保てるのか」と、衆院選をにらみ、外交・安保問題が絶好の対立軸となると訴えた。

 石原伸晃元政調会長は「政治は政局に明け暮れ、リストラ、低賃金、非正規雇用の拡大という国民の関心と大きなズレが出た。それを直したい」などと 雇用問題に言及。小池百合子元防衛相は「働く女性が出産・結婚で仕事を辞め、好きな仕事に戻れない日本的な空気がある」と少子化・女性問題を訴えた。

 石破、石原、小池の三氏としては、経済問題ばかり議論していては、麻生氏と与謝野氏の論争の中で埋没してしまうことに危機感を持っている。それだけに、なるべく自分の土俵で勝負しようという計算があるようだ。

 立候補を決断している一人は「財政出動がどうとか、上げ潮がどうとかばかり議論しても国民は関心を示してくれない」とも指摘。さまざまな政策を論じることで、衆院選で民主党と渡り合えるテーマを模索しようという意識ものぞかせている。

 ただ、出馬を固めた別の議員は「自民党の中でやっているんだから、(政策の)差なんてこれっぽっちだ」という冷めた見方もある。論争がどこまで実りあるものとなるのかは、まだ不透明だ。


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