【ハノイ=岩本陽一】輸出主導の経済成長を続けてきたベトナムで貿易赤字が拡大している。2008年1―8月の累積額は159億ドルとなり、通年で は前年比60%増の200億ドルに達する見通し。外資系の製造業を中心に企業活動が活発になり、資機材などの輸入が大幅に増えたことが主因。貿易赤字の増 加は高率のインフレと並ぶ同国経済の不安要因となっている。
商工省のまとめによると、1―8月の輸出額は前年同期比39.1%増の433億ドル、輸入額は同54.1%増の592億ドル。輸入の伸びが輸出を大きく 上回った。インフラ建設や製造業向けの機械、鉄鋼の輸入が拡大したほか、原油価格が高止まりしている影響で石油も増えた。
政府は優先度の低いインフラ整備を先送りするなどして資機材の輸入増加を抑え、貿易赤字の拡大を防ぐ考え。ただ世界的な景気減速で輸出が大幅に伸びる可能性は小さく、ベトナム国営通信によると09年も今年と同程度の赤字が見込まれている。(08日 23:01)●●コメント●●
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