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青森中央学院大(青森市横内)に在籍する留学生が通訳や翻訳を手助けする「国際語学サポートセンター」が好評だ。大学が取り組む地域還元活動の一環だが、県内でも数少ない取り組みとあって、開設から1年足らずにもかかわらず、語学教室から自治体の国際交流事業まで、幅広い依頼が舞い込んでいる。留学生にとっても日本の社会と触れ合う貴重な機会になっているようだ。(岡部雄二郎)
「重いから気をつけて。もっと手を前に持ってきて力いっぱいつかないと、おいしくならないよ」
今月上旬、台湾の中学生を修学旅行で受け入れた十和田市の農家民宿で、同大4年の中国系マレーシア人、チャウ・シーメイさん(22)が、杵の使い方を教える住民の説明を通訳した。
十和田市の農家民宿では昨年から、台湾の修学旅行生を積極的に受け入れている。しかし、外国語を話せる経営者はほとんどおらず、チャウさんのような「語学サポーター」は貴重な存在だ。受け入れ農家の一人、中道福子さん(53)は、「台湾のことを尋ねたり、昨日の食事のおでんが口に合ったか聞いたり。サポーターがいるとスムーズに会話できるから、安心して受け入れられます」と歓迎する。
サポートセンターが設立されたのは昨年4月。同大では、中国やベトナム、マレーシアなど100人以上の留学生が学び、地域の学校や自治体などから留学生の派遣依頼が増えていた。このためセンターは、活動への参加を希望する約80人を語学サポーターとして登録。得意な言葉や授業のスケジュールを考慮して派遣している。
対応できる言語は英語をはじめ、中国語やタイ語、韓国語など12言語と多彩。青森南高校(青森市)の英語コンテストでのアドバイス役や、ホテル「古牧温泉」(三沢市)の料理メニューの翻訳など、これまで手掛けた活動は20件を超えた。
一方、キャンパスとは違った体験ができるとあって留学生にも好評。センターに登録したばかりのチャウさんは今春卒業するため、今回の農家民宿が最初で最後の活動だが、「青森に4年いたけど、農家に泊まるのも餅つきも初めて。本当に楽しい」と笑顔で話した。
また、ベトナム人留学生のダン・ホアン・フォンさん(21)は、かつてはコンビニのアルバイトをする以外に地域との交流がなかったが、活動に加わって以降、障害者施設で母国の紹介などをしている。「せっかく留学したのだから、もっともっと地元の人たちと接したい」と意欲をみせる。
センター設立に携わった大野和巳准教授(経営学)は「異文化の人同士のコミュニケーションの場として、積極的に利用してもらいたい」と話している。
(2009年2月12日 読売新聞)
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