2009-02-24

旧ソ連圏、日本語学習熱?

:::引用:::
◇教師の研修生増加

 日本語を教える外国人教師を受け入れている国際交流基金日本語国際センター(さいたま市浦和区)で、近年、旧ソ連圏からの研修生が目立っているという。以前は欧米が中心だったが、同センターは「日本の映画や小説が旧ソ連圏にも広がりはじめ、関心が高まっているのではないか」とみている。

◇欧米から浸透か

 同センターによると、今年度の研修生は22カ国の高校や大学で日本語を教えている教師38人。日本語学習歴が5年以下の若手教師を対象にしている。ここ数年、キルギスやウズベキスタンなど旧ソ連圏からの研修生も多いという。

 担当者は、理由ははっきりしないとしながらも、「『北野武』や『村上春樹』は知名度が高く人気もある。欧米ではすしなどの日本文化が浸透し、地域が移ったのかも」と分析する。同センターのまとめでは、98年に旧ソ連圏で約1万1千人だった日本語学習者は、06年には1・5倍近い約1万7千人に増えているが、日本語教師の数は少なく、需要が高いという。

◇キルギス出身・ヌルカマルさん「日本への関心に応えたい」

 ジュマバイ・クィズィ・ヌルカマルさん(27)は、旧ソ連圏のキルギス共和国出身だ。自殺を禁じるイスラムの影響が強い同国で、主君に命を捧(ささ)げる「サムライ」を描いた日本映画を見たのが日本に興味を持つきっかけに。「なぜ、こんなにまじめで責任感が強いのかと、ただただ驚きました」

 初来日は4年前、交換留学で北海道の大学へ。とにかく会話力を磨いた。当時、「遅刻して理由を説明しなきゃと思ったら、『言い訳』だと言われて。文化の違いにびっくりしました」。

 2度目となる今回の滞在で、さらに日本文化への理解が深まったと話す。印象的だったのは茶道の体験だ。「お茶といえばおしゃべりと思っていたので、こんなに静かに飲んでどうリラックスするんだろうと」。日本人が相手の考えを察したり、静かに考える時間を大事にしたりすることがわかって興味深かったという。

 一方で、県立高校を訪ね、日本と世界についてディスカッションしたときには、「生徒がしっかりした意見を持って発言する。意外でした」。

 大学で始めた日本語を、母校の大学で5年間見よう見まねで教えてきたが、今回の研修で日本語教師としての自覚が芽生えたという。

「日本にも色々な人がいる。キルギスとはかなり違う文化ですが、誤解なく伝えて、生徒の日本に対する興味・関心にあらゆる面から応えていきたい」と話した。
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