2009-02-27

ベトナム長年の悲願、交通事故死が激減 ヘルメット効果

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 【バンコク=柴田直治】交通マナーの悪さがとかく指摘されるベトナムで昨年、交通事故の死傷者が大幅に減少した。一昨年末、モーターバイクの運転手と同乗者のヘルメット着用が法制化されたからだ。着用義務化は過去、国民の反発で何度も挫折してきたが、政府が今回、不退転の決意で取り組んだ。さらに電動自転車にも着用を義務づける法改正を進める構えだ。

 国家交通安全委員会がこのほど明らかにした08年の交通事故死者は1万1243人で一昨年より1557人、12.2%減った。負傷者は24.3%の減少だった。

 01年以降、毎年1万人以上が交通事故で死亡。その8割以上がバイクがらみだったが、事故時のヘルメット着用率は2%未満と低かった。

 政府はこれまでもたびたび義務化を試みたが、「暑い」「髪形が崩れる」と国民から不評で、ほとんど守られなかった。ところが人身事故の増加を世界保健機関(WHO)や世界銀行などから批判されたこともあり、07年12月15日、すべての道路で着用を義務づけた。

 違反者のバイクを最長3カ月没収、最高20万ドン(1400円)の罰金を科した。政府首脳もキャンペーンの先頭に立った。この結果、ハノイやホーチミン市の街中でほとんどみかけなかったヘルメット姿が今や常識になった。

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