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日本が初めて外国から受け入れたインドネシア人看護師が今月、半年間の日本語研修を終え、県内でも3病院で計5人が働き始めた。言葉や文化の違いを超えて、医療現場に定着できるか。課題は少なくないが、医療の人手不足が叫ばれる中、各病院が寄せる期待は大きい。
日本が初めて外国から受け入れたインドネシア人看護師が今月、半年間の日本語研修を終え、県内でも3病院で計5人が働き始めた。言葉や文化の違いを超えて、医療現場に定着できるか。課題は少なくないが、医療の人手不足が叫ばれる中、各病院が寄せる期待は大きい。
足利赤十字病院(足利市本城)で16日から働き始めたヌル・ヒックマさん(25)は、「インドネシアより進んだ日本の医療技術を勉強したい」と来日を決めたという。インドネシアで看護師免許を取得し、首都ジャカルタの病院で約3年の就労経験がある。
初日は「日本語は難しいので、不安でいっぱい」と緊張した様子だったが、「看護の仕事は忙しいけれども、人助けになってうれしい」と笑顔を見せていた。
同病院は、ヒックマさんがイスラム教徒のため、お祈りの時間を確保するなど配慮した。給与などの待遇は日本人職員と同水準で、同僚看護師が住む病院の寮で一緒に生活する。同病院は、2009年度から始まるフィリピン人看護師の受け入れにも応募し、新たに2人の受け入れがほぼ決まった。小松本悟院長は「技術も高く、優秀な外国の看護師は院内でも手本となるはず。日本人看護師や職員にとっても刺激になる」と期待を寄せている。同病院以外では、宇都宮市の報徳会宇都宮病院、野木町のリハビリテーション花の舎(いえ)病院に男性が2人ずつ着任した。
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県の2005年度の推計によると、県内の病院や介護施設の看護職員は、09年度には計2万425人の需要に対し、約1300人の不足が生じる見通しだ。このため今回の受け入れは、国際貢献のほか、人材難解消の打開策として注目が集まっている。
今後の定着に向け、最大の関門は国家試験の突破だ。看護師の場合、病院で勤務しながら3年以内に受験し、資格を取得できれば定住も可能だが、不合格なら帰国しなければならない。足利日赤は01年から国際交流の一環として英国人留学生を受け入れてきた。そのノウハウを生かし、日本語学習の時間を定期的に設ける予定。宇都宮病院も、小中学校の教科書を使用した学習を進めている。
花の舎病院では「受け入れ側もインドネシアの文化や習慣を理解することが大事」と、職員が勉強会を複数回開いて迎え入れる態勢を整えてきた。今後、生活習慣や看護業務を指導する職員が個別にサポートにあたるという。
(2009年2月17日 読売新聞)
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