2009-02-17

日中韓の研究者が集まり「日本の武士道」を研究

:::引用:::
東アジアにおける「武士道の研究」の国際シンポジウムが、15日に北京で開催された。これは北京日本学研究センターと中華日本哲学会が開催したもので、中国からは中国社会科学院、北京大学、南開大学、日本からは大阪市立大学、北海道大学、韓国からは嶺南大学など、日中韓の約100人の研究者が集まり、東アジアにおける日本の武士道研究について議論と交流を繰り広げた。

  武士道はかつて日本の歴史の中で大きな役割を果たしてきた、日本の思想を代表する文化現象の一つであり、日本の思想を理解するための重要なキーワードである。

  日本では武士道についての研究はかなり行われてきた。しかし中国や韓国では日本人の研究を紹介した著書の翻訳は出ているが、自国の視点から見たより一歩進んだ研究はあまり行われてこなかった。

  そのため日中韓の研究者が、武士道とはいったいどういうもので、いかに客観的に武士道を見るかという議論や交流を行うことは、東アジアでの日本の武士道研究を一層深め、東アジア諸国における日本の思想の理解を深めることができると期待されている。

  基調講演では、国際日本文化研究センター研究部の笠谷和比古教授が、歴史的視点から武士道の概念の成立と展開を論じ、韓国嶺南大学哲学系の崔在穆(チェジェモク)教授は、韓国の「花郎徒(ファランド)」と武士道との結び付けて歴史的な意味をさぐり、中国社会科学院哲学研究所の卞崇道教授は、明治時代の井上哲次郎を重点に明治思想における武士道を考察した。

  中国で「武士道」は、日本の民族精神のなぞを解く重要なキーワードの一つだ。新渡戸稲造の『武士道』は多くの中国語訳が出版されており、その他にもルース・ベネディクトの『菊と刀』、戴季陶の『日本論』、蒋百里の『日本人』は、日本を知る上での「日本四書」である。

  シンポジウムに参加した中国人研究者の一人は、「武士道の研究は、日中両国の学者が避けていたテーマだったが、日中韓の研究家たちが集まり、客観的に議論することは重要な意義がある。こうした論議を行うことで、日中両国はさらに深いレベルで相互に理解することができるだろう」と語った。写真はシンポジウム会場の様子。


※この記事は、「中国網(チャイナネット)日本語版」による提供です。中国網は中国国務院新聞弁公室の指導を受けて、中国互聯網新聞中心が各国語で運営する、中国政府による中国情報ポータルサイトです。URL : http://japanese.china.org.cn/

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