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ドイツの派遣労働の実情について、人材派遣業界団体「連邦有期労働人材サービス業協会」のルドガー・ヒンゼン事務局長(46)に聞いた。 (ベルリン・三浦耕喜)
-ドイツでは、派遣労働がどの程度普及しているのか。
「ドイツでは『派遣労働』とはいわず『有期労働』と呼んでいる。労働契約は無期限が基本だからだ。その上で、ドイツには企業のニーズに応じて期限付きで労働者を派遣する人材会社が約八千社あり、約八十万人が雇用されている。うち当協会には約六百社が加盟し、約二十三万人が働いている」
-近年の傾向は。
「パートタイム労働を拡大した『ハルツ法』と呼ばれる一連の関連法が二〇〇二年に成立した後、有期労働市場は毎年二けたのパーセントで伸びた。将来的にも有期労働市場は拡大するだろう」
-日本では派遣労働の問題点が指摘されているが。
「ドイツでは失業から脱出する手段として、働く側の利益になっている。実際、有期労働者の60-70%が以前は失業者だった。多くが職業安定所からの紹介だ。これを私たちは失業から雇用へと結ぶ『懸け橋効果』と呼んでいる」
-有期では雇用は不安定ではないか。
「有期なのは、あくまで派遣先での仕事だ。ほとんどの労働者は人材派遣会社との間で無期限の雇用契約を結んでいる。派遣期間中でも期間外でも、労働者には派遣会社から固定給が支払われる」
-社会保障面ではどうか。
「派遣会社の社員なので、健康保険、年金保険、失業保険は完全に保障されている。疾病給付金、休暇の権利ももちろんある」
-雇う側としては労働コストが高くつきそうだが。
「極めて重要なことは、有期労働がいわゆる『普通の労働』よりも決して安くはないことだ。もちろん、派遣先にとっては必要な人材を必要な期間だけ使えるメリットは大きい。だが、その分のコストを払わねばならない。その社の賃金契約に基づき、派遣先企業の社員と同じ給与を払わなければならない。派遣会社への仲介手数料もかかる」
-派遣先の企業にとって、派遣労働は高くつくと。
「それが有期で雇うことへの対価だ。だから、派遣期間がある程度続くと、派遣先の企業は労働者と直接契約を結びたがる。当協会の調査では有期労働で派遣された労働者の45%が、最終的に派遣先の企業と雇用契約を結んでいる。いわゆる『接着効果』と呼ばれるものだ。ドイツでは有期労働を通じ、むしろ雇用が定着しているといえる」
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2009-02-18
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