派遣先企業の人員整理に伴い、人材派遣会社を解雇されたが、実態は派遣先企業の正社員といえる状態だったとし て、北本市の日系ブラジル人、堀マリオ・トシオさん（４８）が五日、派遣先企業の「椿本チエイン」（大阪市）に対して、直接の雇用関係などを求める訴訟 を、さいたま地裁に起こした。
訴状によると、堀さんは二〇〇四年十月から、椿本チエイン埼玉工場（飯能市）に派遣されていたが、同社の人員整理に伴い、一月二日に派遣会社を解雇された。派遣会社との契約期間は今年三月までだった。
堀さん側は、派遣会社は多くの期間、椿本と業務委託契約を結んで人材派遣しているため、派遣労働者が椿本の社員の指示命令で働いた場合、違法な 「偽装請負」に当たり、三者の契約はすべて無効と主張。椿本社員の指示命令を受けて働いていた以上、正社員といえる状態だったとし、その上で、人員整理は 解雇権の乱用に当たるとしている。
堀さんは提訴後、「夜も眠れないくらい不安だが、椿本チエインの社員になれることを待っている」と話した。椿本チエインは「訴状を見ていないのでコメントは差し控えたい」としている。 （井上仁）
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