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介護や医療の施設で、多くの外国の人が日常的に働く時代が訪れようとしている。101人のインドネシア人が先月29日、国内51の特別養護老人ホームなどで働き始めた。東北では、むつ市と湯沢市の福祉施設で4人が働く。
今年4月以降には、フィリピンからも来日することが決まっている。外国の人に介護や看護を担ってもらうことも、これからは決して珍しいことでなくなる。都市部の施設の特別なことではない。状況は地方も変わらないだろう。
意欲を持った人が外国から働きに来て、日本で経験を積むのは本人にもメリットはあるだろう。何も介護の分野に限らない。多くの仕事でそうなることが望ましい。
ただ介護や医療の仕事は従事者不足が叫ばれ、今後も多くの人材が求められるだけに、国内で育成する努力も怠ってはならない。安易に外国人に頼るような風潮に陥ってはならず、自らの力で「持続可能」な仕組みをつくり上げるべきだ。
外国から来日できるようになったのは、人の移動などを取り決めた経済提携協定を結んだためだ。日本は既にいくつかの国と協定を結んでいるが、看護師らの受け入れを盛り込んだのはインドネシアとフィリピンの2カ国。
働き始めたインドネシアからの101人は日本で介護福祉士の資格取得に取り組む。さらに看護師を目指す104人が今月中に、国内各地の病院で仕事に就く。フィリピンから来日する人たちも同様に働きながら資格取得を目指す。
来日する人は既にそれぞれの国で看護師などの資格を得ている。母国で相応の専門的な知識や技術を身に付けているが、日本での資格取得も滞在の条件になって いる。看護師は来日から3年以内、介護福祉士は4年以内と期限があり、その間に合格できればずっと日本で働くことができる。
だが資格を得られない時は帰国を迫られる。ある程度の制限は仕方ないとしても、もっと柔軟に考えてもいいのではないか。期限内に資格を取得できなくとも仕事をしっかりこなし、職場で信頼を得る人はいるはずだ。国内に受け入れた以上、大切な人材として接するべきだ。
介護や医療の人材は現在も足らないし、これからもさらに求められていく。経済的な魅力から来日を希望する人もいるだろうが、それに頼るのは決して好ましいことではない。
仕事内容にふさわしい給与条件などを整え、資格を持ちながらも働いていない人の職場復帰を促したり、若者の就職を図っていくべきだ。外国の看護師らを受け入れたとしても、その大切さは少しも変わらない。
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