2009-02-02

海外で“年越し” 中国、春節旅行ブーム

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昨年来の金融危機による世界的な景気後退局面を尻目に、上海を中心に中国から海外旅行に出かける人が増えている。上海紙・東方早報によると、1月24日か ら2月1日まで最大9連休となった今年の春節(旧正月)期間にあわせ、1月23~25日に上海浦東国際空港から出国した中国人は連日、過去最高レベルの1 万2000人に達した。行き先は日本やオーストラリア、北米、ハワイ、グアム、ヨーロッパなどさまざまだ。

 米国が昨年6月に中国人の団体観光を解禁して初の春節連休。中国当局はまず北京市、上海市、天津市のほか、河北、湖北、湖南、江蘇、浙江、広東の各省住 民をツアー参加の対象とした。米国ツアー参加料金は、西海岸やワシントン、ニューヨーク、ハワイなどを回る10日間前後のケースで1人当たり2万元(約 26万円)からと安くない。だが、2005年7月の切り上げ後もドルに対して人民元が高値で推移し、3年半で20%近い「元高」となっていることが追い風 になっているようだ。

 東方日報ではさらに、今年の春節連休が曜日並びで9連休となったことや、親族一同がそろって過ごした伝統的な中国人の春節の価値観が若者を中心に変化してきたことが海外旅行ブームの理由としている。

 製造業が多く輸出への依存度が高い広東省や福建省など中国の他の地域に比べ、サービス業への比重の高い上海など華東地域へは景気後退のダメージはまだ大きくなく、この地域の住民を楽観的にさせている。

 08年に上海の日本総領事館が受け付けた訪日ビザ(査証)の申請件数は、前年比25%増の約26万件(団体旅行含む)となった。団体観光ビザは6割増の 13万件余りと大幅に増えた。また、今回の春節連休前に発給が間に合う最終日の1月14日には訪日ビザの申請件数が6350件を記録。これまで1日当たり で最高だった昨年9月17日の4990件を大幅に上回って、過去最高の申請を記録したという。上海など華東地域は所得も向上し、日本旅行ブームが盛り上 がっているようだ。さて、このブームはいつまで続くことか。(上海 河崎真澄)
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