これから、中国の環境問題と清華大学の取り組みについて話します。私の大好きな言葉に、「Our Common Future──われわれの共通の未来」というものがあります。これは、国連の「環境と開発に関する世界委員会」が、1987年に「持続可能な開発」とい う概念を初めて打ち出したときの報告書のタイトルだった言葉です。持続可能な開発とは、「将来世代が必要とするニーズを満たせる容量を危機にさらすことの ないよう、現在のニーズを満たすような開発」と説明していました。まず、この言葉を深く心に刻んだうえで、考えを進めていかなければならないことを指摘し ておきましょう。
約10年前、中国政府は「アジェンダ21」を制定し、「持続可能な開発」を社会と経済発展の基本的な戦略として採用しました。以来、中国は、グリーンテクノロジーによる持続可能な発展を推し進めるために、科学研究と技術革新に力を注ぎ続けてきました。
ここで、世界的に著名な環境学者であるビル・マクガイアの著書「Seven Years To Save The Planet(地球を救うための7年間)」を紹介します。著者は、もし今後7年以内に温室効果ガス(GHG)をコントロールできないならば、地球は 2015年7月以降、不可逆的な悪循環に陥ると警告しています。われわれは温暖化が引き起こす環境悪化や社会経済の混乱にさらされるばかりか、砂漠はさら に広がり、海面が上昇し、台風が太平洋地域を襲い、アマゾンは消滅する、というのです。
ところで、私は1990年代に東京大学で水資源について学びました。温暖化問題とともに水問題は、人類が直面している深刻な環境問題です。現在、世界では、6人のうちの1人にあたる10億人以上が水資源にアクセスできずに苦しんでいます。
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