2008-07-02

学生のIT志向を憂うインド鉄鋼業界

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優秀な学生が高収入のIT職を好む傾向に対し、鉄鋼各社は業界が今後有能なエンジニアと熟練労働者不足に直面するのではないかと危惧している。

先週末ブバネーシュバルで開催された鉄鋼業界の国際会議で、各社トップが将来的な熟練エンジニア不足についての懸念を表明した。

「インド国内に1,600の工科系大学があるにもかかわらず、鉄鋼業界ではエンジニアが不足している」とアルセロール・ミタルのインド・グリーンフィールド・プロジェクトCEO、サナク・ミシュラ氏は会議の合間に語った。

世界最大手の鉄鋼会社アルセロール・ミタルは、部族が多く住むオリッサ州ケオンジャール地区へ生産能力12MTPAの製鋼所を新規建設する予定だが、「産 業研修機関(ITI:Industrial Training Institute)」のモデル校併設を計画している」と同氏は述べた。 

また、「工場の操業開始に先駆けてITIを開校する」と付け加えた。

2020年までに総生産能力290MTPA達成を目標に掲げるインド鉄鋼業界の発展は、国内での有能な人材の育成にかかっている。

同氏は「現在のところ、鉄鋼産業のニーズを満たすだけの有能な人材を持ち合わせていない。学生の大半は景気のよいIT産業に魅力を感じている」とし、有能な労働者の独自育成を目標に掲げる投資家集会の開催を示唆した。

州内の熟練労働者不足を懸念するオリッサ州政府は、ブロックごとのITI開校を決定した。

ナビーン・パトナイク州首相は、「地元民の育成を目的に、他業界各社へも自社工場へのITI併設を要請する」と述べた。

人材不足に備えてITIを増設するというオリッサ州政府の決定は、「鉄鋼・冶金(Steel and Metallurgy)」誌主催の鉄鋼業界の国際会議でも支持された。会議では、政府依存ではなく、必要に応じて独自の資金でITIを設立するよう、決議 文を通して投資家の協力を呼びかけた。
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