2008-07-28

深刻な介護の現場 事業所調査、非正規雇用が71%

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 1年間の介護現場での仕事で、2人に1人が事故やけがにつながる寸前の経験をしていることが、介護労働安定センター(東京都文京区)の調査で分 かった。3人に1人が「健康面で不安」「休憩が取りにくい」などと答え、年間の離職率が30%を超える事業所が3割近くに上るなど、厳しい労働環境が介護 の質確保に影響している実態を浮き彫りにした。

 同センターは厚生労働省認可の財団法人。調査は昨年11-12月、全国の介護サービス事業所から無作為抽出した1万7146事業所、そこで働く5万1438人を対象に実施。4783事業所、1万3089人が回答した。

  調査期間の一昨年11月から昨年10月までの1年間で事故につながりかねない「ヒヤリとした、ハッとした」経験は全体で51・8%が「ある」と回答。実際 に事故になったりけがをさせたりした経験は特別養護老人ホームなど入所型施設系職員で41・0%、デイサービスなど通所型施設系職員で31・2%の職員が 「あった」と答えた。高齢者から暴力を受けた職員は14・0%、暴言を浴びた職員も22・1%に上った。

 一方、調査に答えた訪問介護事業 所で、非正規雇用の登録ヘルパーが71・1%を占めている実態が判明。34・3%の事業所が「20-40%のヘルパーが正社員であるのが望ましい」と言っ ているが、64・7%が「今の介護報酬では人材確保に十分な賃金を払えない」と回答。18・5%が「人件費総額を圧縮した」と答えた。

 介 護の世界に入った理由を55・9%の人が「働きがいのある仕事と思った」とし、50・0%が「働き続けられるかぎり働く」と前向き。だが1年間の職員の離 職率はホームヘルパーで16・9%、施設などの介護職員で25・3%に達した。離職者の74・7%が働いて3年未満で辞めていた。

 同センターの担当者は「介護の質を向上させるためにも、雇用環境を高める対策が必要だ」と話している。


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