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成功するビジネスコミュニケーション(27)
「今度、日本の本社として初めて外国人の社員を採用することになりました。面接のポイントを教えてください。」
「面接では『できる』といったので採用したが、実際に働いてみるとまったくできない。どうしてこのようなことがおこるのでしょうか。」
筆者はグローバル採用に特化した人事コンサルティングを行っていますので、このような相談を日常的に受けています。今回は面接注意ポイントについてご紹介しましょう。
■面接で何を見るかー概要―
面接でのチェックポイントは大きく分けて「専門性」と「価値観が社風に合うか(これを人事用語でカルチャーフィットといいます)」の2つからなります。「専門性」とは語学や技術などです。専門性と合わせて大切なのが「自社と価値観、社風にあうか」という点です。本連載第23回で もご紹介しましたが、日本企業は「伝統型製造業」「伝統型サービス業」「新興型製造業」「新興型サービス業」4つのタイプに分類されますが、その上でそれ ぞれの企業のもつ価値観に合うかどうか、上司・同僚とあうかどうかという点も大切になります。面接ではこの「専門性」と「価値観」のバランスを見極めてい く必要があるのです。
■面接で何を見るかー外国人社員採用の際の選考ポイント―
上記をもう少し詳しくいうと、グローバル採用における選考ポイントは大きく分けて以下4つに分かれます。
1)専門性、技術的背景
2)価値観、志向性
3)性格
4)異文化適応
面接に際し、これら選考ポイントへの回答傾向は実は国ごとに異なります。逆に言うと、この傾向を理解しているだけで相当面接の精度は上がるのです。
以下では「性格」部分についてご紹介します。
〔国別・面接ポイントー性格―〕
「あなたは○○ができるか」という質問に対する日本・中国・インドー国別回答傾向。
・日本人:自分の過去の経験・実績を振り返って「できる/できない」を判断して回答。
・中国人:自分の将来の見込みを予想して「できる/できない」を回答。
・インド人:中国同様、自分の将来の見込みを予想して「できる/できない」を回答。
これらはもちろん、典型化・一般化したものであり、個別にみていくとどこの国でも各人の性格はそれぞれことなることは言うまでもありません。それでも 「自分の過去」を基準として考える日本人と、「自分の将来」への見込みを基準として回答する中国人・インド人に見られる差は大きいです。これはどちらがよ い、悪いということではなく国民性による傾向の違いでしょう(ちなみに上記では触れていませんが、ベトナム人の場合は「自分の過去」型であり、日本人の傾 向に近いです。)。従い、たとえ「できる」という回答があった場合でもそれを鵜呑みにせずに具体的事実、客観的な判断・指標等でその能力を測定することが 大切なのです。
冒頭でご紹介した「面接では『できる』といったので採用したが、実際に働いてみるとできなかった。」というようなこと も、事前にこの傾向の違いを理解していれば対応の仕方はあるのです。ぜひご参考にしてください。(執筆者:小平達也・株式会社ジェイエーエス代表取締役社 長)
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2008-07-25
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