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文化的国際統合というと、ベトナムの文化が外国に渡り、ベトナムを紹介するものと考える向きが強かった。その逆は考えてこられなかったわけではないが、前者より軽視され、受動的に迎えられてきた。
外国文化は最近、映画や書籍、雑誌など様々な形で入ってくるようになった。特に最近は、歌手によるコンサートや舞台、芸術公演も増えている。最 も人気があるのが音楽で、アジアのスターBi Rainのライブはチケットが高額だったものの大盛況だった。ほかにV4 Men(韓国)、Red Vain(イギリス)、Micro Wave(日本)、Miami(同)などの歌手・グループもベトナムにやって来た。
昨年中頃にハノイで開催されたロックイベントには、イタリアの有名歌手Piero Peluが参加した。今年はじめにはTiger Beerが主催したイベントに、世界的に人気の高いグループMy Chemical Romanceが参加、2万5,000人の観衆を集めた。
2006年度国際演劇祭では、上海演劇センターの劇「秀才と死刑執行人」が注目された。世界的な演劇は、若いアーティストにより大胆さが加えら れ、才能豊かに表現された。フランスの芸術学校の学生による現代舞踏や劇も新鮮さと創造的な印象を与えた。伝統文化を紹介するもの以外、シャボン玉パ フォーマンスやフライパンによる演奏など風変わりなものも多い。映画は、フランス、韓国、ロシア映画週間が開催された。フランス映画週間では数十作品が紹 介され、多様なプログラムに俳優もやって来た。
数カ月も前から周到に準備が進められたBi RainやMy Chemical Romanceのイベントはさておき、急ごしらえのものも少なくない。My Dinh競技場で行われたあるイベントでは事前に記者会見や街頭広告もなく、観客はまばら、招待客も一部が来ただけだった。ある経済紙が紹介したハノイの オペラハウスで開催のロシアの有名劇団のバレエ公演も、問い合わせてみれば、すでに終わって1週間経っていた。
ベトナムと世界のイベント技術には大きな隔たりがある。音楽家Quoc Trung氏は、デンマークで国際音楽祭に参加した際、ベトナムにもイベント開催を専門におこなう業者が現れる日を望んだという。
ベトナムで開催されるイベントにアーティストが参加する上で最も懸念しているのは、設備と技術、そしてスタッフだ。Bi RainやMy Chemical Romanceのライブでは、音響・照明設備を外国から持ち込んでやっとそのレベルを保てた。専門の技術者も外国からやって来た。
イベントについての情報提供や宣伝が足りないため、観客も新しいものを迎える準備ができていない。そのためイベントの価値も正しく認識されてい ない。またビールや酒のブランドは、ロック系のイベント開催を支援することが多いなど、イベントのプログラムは、多くがスポンサーの意向に偏りすぎるきら いがある。主催者が観客の好みばかりを取り入れるため、韓国の歌手ばかりが招かれることにもなっている。ベトナムの若者には、「海外の音楽=韓国、台湾」 という構図が頭にでき上がっている人も多い。
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