2008-07-16

インド:最も成熟したオフショア先

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〈バンガロール〉インドはIT・BPOサービスの最も成熟したオフショア先となっており、他国より優位に立っている。しかし、上昇し続ける人件費が優位を保つ妨げとなる可能性があるという。

国際的な調査会社エベレスト・リサーチ・インスティチュート(Everest Research Institute、ERI)のレポート「Global Sourcing—Market Vista Q1 2008」によると、インド諸都市のコストインフレは2007年のレベルを超えており、コストインフレがインドのオフショア先としての成長を妨げる要因に なる可能性があるという。

オフショア先としては、中国・フィリピン・東ヨーロッパなどが台頭し、インドの優位を脅かそうとしている。ERIは、現在各国ともに拡大を続けてお り、人材を巡る競争も激しくなってきていると分析している。さらに、2004年から続いている未曾有の物価上昇も人件費上昇の潜在的な要因だという。

政府・産業界は共にオフショア産業の成長を図るために対策を立てている。政府はSTPI制度を1年間延長した。STPIとはSoftware Technology Parks of Indiaの略。政府がソフトウェア産業の振興を目的に設立した工業団地。STPI制度とは、STPI内の企業を税制上優遇する制度などを指す。

現在STPIや地方の小都市に注目が集まっている。インドのBPO企業ジェンパクト(Genpact)はメーガーラヤ州政府と開発拠点を同州内に設置する覚書を交わした。他の企業も同様の動きを見せている。

他の競争国と比較した場合、豊富な人材をもつインドに対抗しうる競争相手は、すぐには現れにくい。アルゼンチン・ブラジル・メキシコなどは、自国内 での圧力に直面している。ブラジルでは現地通貨レアルが高騰し、オフショア先としての魅力が薄れてきている。メキシコでは、インドのIT大手インフォシス (Infosys)・ウィプロ(Wipro)、マインドツリー(MindTree)などがモンテレーに開発拠点を置き、労働力の確保が困難になると見られ ている。

東ヨーロッパやフィリピンでは政府がIT企業を支援し、競争力を強めようとしている。また、タイ・エルサルバドル・パラグアイ・ホンジュラスも競争に参入して、激しい競争を引き起こしている。


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