2008-06-02

日本人材派遣協会 信頼回復へ自主ルール策定 意図的な「1日契約」禁止

:::引用:::
改善怠慢企業は社名公表

  日本人材派遣協会(約800社加盟)が派遣労働者が安心して働けるように派遣元としての責任を明確化する自主ルールを策定、業界の健全化を推進する。一部 の人材派遣企業の違法派遣や賃金から不透明な控除を行ったことなどが社会問題化したことに対応した。コンプライアンス(法令順守)上で問題がある会員企業 に対して協会が調査し、改善指導する。改善を怠った企業は企業名をホームページなどで公表する。

 派遣業界は、違法派遣を行った大手のフルキャスト、グッドウィルが相次いで事業停止命令を受け、派遣システム全体への信頼が揺らいでいる。与野 党からは規制強化の必要性も指摘され、一部では「日雇い派遣」の全面禁止なども議論され始めた。業界自らコンプライアンスを打ち出すことで、イメージ回復 をねらう。

 自主ルールでは、協会加盟企業は、派遣労働者の賃金から法令で認められているもの以外は一切控除しないことと、派遣料金の仕組みについて派遣労 働者に説明することを義務づけた。一部の製造・運送業務などの軽作業に従事する「日雇い派遣」で一般化していた意図的な1日単位の細切れ契約は行わず、派 遣労働者の希望に応じて可能な限り長期契約を確保するよう努力することも明文化した。

 「1日単位の派遣業務でも通訳など健全なものもあるが、倉庫作業などで反復継続的な仕事があるのに社会保険逃れなどを目的に意図的に1日契約にすることは禁止する」(本原仁志・派遣事業適正化委員会委員長=スタッフサービス・ホールディングス社長)という。

 労働・社会保険の加入要件を満たす派遣労働者については必ず加入させることも盛り込んだ。毎期の事業報告書に基づいて派遣労働者の労働・社会保険の適用状況を協会に報告することを義務づけ、著しく加入率が低い加盟企業に対しては是正を求める。

 自主ルールを定めると同時に派遣先である顧客企業に対する協力依頼文書も作成し、契約時などに顧客企業に配布する。内容は、(1)港湾運送、建 設、警備など労働者派遣の禁止業種(2)合理的な理由がない場合は1日単位の細切れ契約を締結しない(3)派遣先企業からさらに他の企業に派遣される「二 重派遣」や契約上請負契約なのに派遣先企業が仕事の指示をする「偽装請負」などの内容を含む派遣契約は締結しない-など。

 協力依頼文書では、セクハラ、パワハラなどや作業上の安全・衛生を確保するために契約外業務、無資格業務などについて派遣会社が派遣労働者から相談を受けたときは派遣先企業に出向いて事実確認を行うことをあらためて強調している。
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