人材派遣大手のグッドウィル・グループ(GWG)は25日、100%子会社で日雇い派遣最大手のグッドウィル(GW)を7月末に廃業すると正式発表 した。二重派遣問題で、厚生労働省が同社の派遣事業の許可を取り消す見通しとなったことなどから、事業継続が困難と判断した。GWGの経営再建に大きな痛 手になりそうだ。GWGは今後、GWが派遣する約7000人の労働者について、顧客企業での雇用継続や同業他社の受け入れを呼びかける一方、内勤従業員約 4100人については退職を申し入れ、事実上、解雇する。GWの中元一彰社長ら全役員は退任する。
記者会見したGWGの堀井慎一社長は「事業廃止は苦渋の決断。多くの方に迷惑をかけたことをおわびしたい」と謝罪した。
違法派遣問題などが相次いで発覚したGWは、厚労省から1月に最高4カ月の事業停止命令を受けたことで、登録派遣者が約3万4000人から約 7000人まで激減。「日雇い派遣がワーキングプアの温床になっている」との批判もあり、GWGは売却方針を固め、日米の投資ファンドや人材派遣会社など 数社と交渉。だが、違法派遣で社員が逮捕されたことなどで、交渉は難航した。
GWGは、介護事業からの撤退や派遣業の事業停止などで業績が悪化。米大手ファンドのサーベラスと米証券大手モルガン・スタンレーの2社連合の支 援で財務基盤を強化し、技術者派遣などに経営資源を集中する計画だった。ただ、100億円規模での売却を見込んでいたGWが廃業に追い込まれ、200億円 超で売却予定だった老人ホームも交渉が進んでいない。
経営の柱と位置付ける技術者派遣も優良メーカーは法令順守を厳格化し、「GWGとの契約を敬遠するケースが目立つ」(業界関係者)という。堀井社 長は「六本木ヒルズからの本社移転、社名変更でイメージを一新したい」と述べたが、再建計画は大幅な見直しが迫られる可能性もある。
GW廃業の報道を受け、25日の東京株式市場でGWG株は、制限値幅いっぱいのストップ安となる前日終値比1000円安の6610円で取引を終えた。【田畑悦郎、小倉祥徳】
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