2008-06-23

松山空港 初の不法入国者逮捕

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松山空港で3~4月、偽造旅券で入国を試みた韓国人3人が相次いで逮捕された。同空港での不法入国者の逮捕は初めてで、「審査が甘い地方空港を狙っ た」などと供述したという。来日外国人の指紋採取を義務づけた改正入管法が昨年11月に施行されるなど水際対策が進む中、7月の北海道洞爺湖サミットや県 内で10月にある育樹祭を控え、県警や入国管理局は警戒を強めている。(福本雅俊)

 「別室で話を聞かせて下さい」。4月25日夕、松山空港の入国審査ブースでパスポートを読み取り機にかけていた高松入管松山出張所職員が、持ち主 の韓国人の女(40)に言った。機械の画面では旅券番号などが赤く反転し、偽造旅券の可能性が高いことを示していた。「もう一つあるんでしょう、それを出 して」。女は観念したようにうつむいて無言で正規の旅券を差し出し、松山西署に逮捕された。

 女は2006年10月に不法残留で強制退去させられており、「別人を装うため生年月日を偽った」と供述。松山空港では3月にも韓国人の女2人が偽 造旅券を使って逮捕された。いずれも強制退去歴があり、「成田や関空は審査が厳しいが、地方空港は甘いと聞いた」と供述したという。

 実は、入管は2件とも、05年導入の事前旅客情報システム(APIS)によって、到着前に「不審な乗客あり」の情報を得ていた。国際便の乗客名簿 を違反歴があるなどの「要注意者リスト」と事前に照合するシステムだ。改正入管法に基づいて採った指紋も「リスト」の人物と一致した。同出張所の熊谷直美 所長は「職員の『目』にAPIS、指紋照合システムを加え、水際対策の精度は格段に上がった」と自信を見せる。

 県警も今月から、機動隊員や私服警官を到着ロビーや入管、税関に置き、警備体制を増強している。

 課題もある。県内6か所の国際港はAPISの対象外。入管は船舶代理店から乗客名簿を入手し、手作業で「リスト」と照合しているが「十分な審査は 困難」(入管関係者)なのが現状だ。こうした穴を補うため、県警は4月以降、県内各港で入管や海上保安部、船舶代理店と会合を開いて連携強化を図ってい る。

 一方、こうした対策強化の動きには「外国人というだけで指紋採取されるのは犯罪者扱いされるようで不愉快」(韓国人女性)、「取得した情報の利用方法や保存期間などの法的規定がなく危険」(日本弁護士連合会)などの声もある。

 テロ防止は当然必要だが、具体的な危険性を十分検証しなければ、個人の権利の過剰な制限につながりかねない。県警や入管にも、これらの対策の必要性や入手した個人情報の扱いについて、より丁寧な説明を期待したい。


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