2008-06-17

【反射鏡】外国人、どこまで入れるか

:::引用:::
外国人の幕下力士は報酬なしの「国際交流」名目の受け入れだが、幕内になると「技能」があると見なされて、ようやく正規の「高度人材」という位置付けになる。

 先日、行政書士の友人から聞いた話である。外国人労働者をどういう資格で受け入れるか。結構、悩むし、“知恵”を絞るのだという。

 特に、多くの農家や中小企業が若者の人手不足で悩んでいて、外国人研修生の受け入れ希望が多い。そこで、単純労働者を仲介するブローカーや行政書士の出番となるらしい。

 日本は専門的知識や技術を持つ「高度人材」は受け入れるが、「単純労働者は認めない」方針を堅持している。 しかし、特例で多くの南米の日系人が工場労 働者として働いている。また、日本の技術を学ぶという名目の「外国人研修・技能実習制度」で来日した実習生が農林業や建設業、製造業などで単純労働に従事 している。

 そして、多くのコンビニや飲食店には、中国人留学生らがアルバイト従業員として働いている。

 こうした実態をみれば、明らかに単純労働は受け入れないというのが建前にすぎず、実際は低賃金で働く外国人労働者が日本の社会になくてはならない存在になりつつあることが分かる。

 こんな二重基準をいつまで続けるのだろうか。少子高齢化で労働人口が減る中で、「日本は外国人労働力の活用が課題」との声だけが産業界だけでなく、政界からも無責任に聞こえてくる。

 来月下旬には、経済連携協定(EPA)で決まったインドネシア人看護師と介護士の受け入れも始まる。これは医療や福祉分野での外国人労働者の本格的受け入れである。

 問題は、どこまでの範囲で受け入れるかの合意である。国民の間には「日本人の雇用が奪われる」とか、「文化や慣習が違って混乱が起きる」などの不安の声も根強い。分かりやすい基準が必要だ。ようやく本格的に始まった政府や自民党の議論の行方を見守っていきたい。
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