2009-02-12

ベトナム:テト明けの労働市場、失業者と人手不足が発生

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 ホーチミン市やDong Nai省、Binh Duong省では多くの企業が人員削減するなか、深刻な労働者不足に陥っている企業もある。

 市8区Thuan Phong社にテト(旧正月)後戻った100人を超える労働者は、3月以降操業停止という知らせを受けた。市工業団地・輸出加工区労働組合によるとLe Minh Xuan工業団地で600人の労働者を抱えるHung Man社も2月10日から操業を停止する。

 一方で少なくない企業が、テト明けに労働者が戻らず人手不足に陥っている。企業の経営悪化、低所得、生活費の高さが戻らない原因だ。Binh Tan区の労働連合幹部は、失業と労働者不足という相反する問題が同時に起こっていると首をひねる。

 テト後、多くの企業が2009年の生産拡大に向け採用活動を始めている。Tan Phu区の縫製企業Xuan Thanh社は、生産拡大のため200人を増員する。人手不足から会社では、一般労働者を採用し教育するという。Linh Trung 1工業団地のぬいぐるみ製造業Danu Vina社では500人、現在1万人が働くFreetrend A社でもさらに5,000人を採用する。

 Phu Huu社の労働者800人が失業すると聞くと、5区An Phuoc社、6区Thuan Phuong刺繍社、12区MDK社など地域の企業がすぐに受け入れに乗り出した。Hoc Mon県、Binh Chanh県、12区、Thu Duc区などの失業者も、それぞれの地域の企業により受け入れられている。

 2009年も厳しい経済状況から生産の縮小・停止があり、多くの労働者が職を失うだろう。しかし労働者不足も事実で、各社は労働者の採用にあたり基準を引き下げざるを得ない。以前、工業団地・輸出加工区の多くの企業では、採用基準を、技術を持ち、最終学歴は最低でも中卒、18~25歳としていたが、現在これを満たすのは非常に難しい。

 Freetrend A社の採用条件は、18~36歳で読み書きできること、と非常に簡単だ。ほとんどの企業で労働者への教育をしており、研修期間でも昼食と基本給120万ドン(約75ドル)を支給する。住居を無料提供する企業やその他能力手当てを支給する企業もある。

 2月5日朝、Binh Duong省Dong An工業団地、Song Than 1・2工業団地、Thu Duc区Binh Chieu工業団地、Linh Trung 2工業団地などに続く道では、労働者を募集する広告がかけられていた。どの企業も魅力的な条件を掲げ、1,500人を募集するHan Soll社では、「給与は最低180万~190万ドン(約113~119ドル)、快適な職場環境、昼食無料」とし、Triumph International社では、「労働契約後の給与は250万ドン(約156ドル)以上、労働契約は1カ月の研修後に締結、テトボーナス支給、昇給年 5%、健康診断年1回、清潔な作業環境」などと書かれている。

 とはいえ、労働者に浮かれた様子は見られない。Daoさんは5部の求職書類を持ってこの3日間Binh Duong省の工業団地を回ったが、実際は給与は不安定で、解雇される可能性もあるという。Nghe An省出身のThanhさんは、「田舎の母が収穫の手伝いに出れば1日10万ドン(約6.3ドル)になると言ってきた。今年こっちでの仕事はどうなるか分からないので、田舎に帰ることにした」と話す。

 テト明けにBinh Duong省やDong Nai省に戻った労働者は昨年に比べ少なかった。労働者が最も恐れているのは、一旦採用しても経営悪化を理由に解雇されたりすることだ。

 労働者不足に備え、一部企業は出勤日数やボーナスを維持したり、年初のお年玉を約束するなどしていたが、効果は上がらなかったようだ。Lan Hanh社ではテト明けに戻った労働者は約65%、労働者の帰省用バスを準備したTran Duc社でも戻ったのは70%だった。Binh Duong省労働連合によるとテト明けに戻らない労働者は約30%で、なかには労働者が70%も不足している企業があるという。
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