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日本でも有数のコリアンタウンとして知られる新大久保駅周辺。駅前を東西に貫く大久保通り沿いには、韓国を始めとした中国、タイなどアジア各国のエスニッ ク料理店が軒を連ねる。路上に漂ってくるプルコギやトッポギのにおいと、行き交う人々の日本語とは明らかに違う言葉は、アジアの雑踏にいるかのような錯覚 さえ覚える。
「2002年サッカーワールドカップ日韓大会のころから韓国人の若者が急激に増えた」と新大久保商店街振興組合理事長の森田忠幸さん(57)。
W杯が終わると、反動で一時にぎわいが途切れるが、「その後すぐ2004年からの『冬のソナタ』による爆発的な韓流ブームが起きて、今度は中高年女性の姿が目につくようになった」と活況を呈している街に表情がほころぶ。
地元で生まれ育った森田さんは幼いころの街の様子を「隣接する歌舞伎町で働くホステスや外国人が多く住んでいたこともあって、街のざわざわ感は 変わらないが、今よりのんびりしていた。青果店や鮮魚店など生活に密着した商品を売る店が多く、他の地域の商店街と変わらない店舗構成だった」と振り返 る。
新大久保駅周辺のコリアンタウン化はバブル期に端を発する。好景気に沸く日本に多くの外国人が吸い寄せられていたころ、歌舞伎町の韓国クラブな どで働くホステスの多くが大久保近辺に住んでいた。これらの韓国人相手に、故郷の味を提供する小さな料理店がひっそりと営業していた。
やがて、エスニック料理の愛好家が集まるようになり、知る人ぞ知るという存在になる。バブルが弾けた後は、空いたテナントに韓国人経営者が入居するようになり、コリアンタウン化が一気に進んだ。
いまや全国的に知名度も上がり、観光名所として大勢の観光客が訪れるようになった。地元でもコリアンタウン化をさらに推進しようという声もある。
しかし、森田さんは「住民コミュニティーは韓国化していない。日本人や韓国人、中国人、イスラム圏などさまざまな国の人が混在している。日本、 韓国というくくりではなく、地元住民としての“大久保人”という意識で街を共に活性化させることが理想」とコリアンタウン化には否定的だ。
近年になって来日した韓国人の親睦(しんぼく)団体として、01年に結成された大久保に本部を置く在日本韓国人連合会(韓人会)会長の趙玉済 (チョオクジェ)さん(50)も「コリアンタウン化には反対する。地元に根付いた“大久保人”として、日本人や他国出身の人と力を合わせて街の発展に尽く したい」と森田さんと考えを共にしている。
韓人会では行政、商店街組合、町内会などと連携して、地域へ貢献するための活動を行っている。
趙さんは「ゴミ捨てのルールなど生活習慣についてしっかり伝え、祭りのときには露店を出すなどして地元住民と共生している」と取り組みについて語る。
日本でも有数の繁華街である歌舞伎町に隣接する街として、猥雑(わいざつ)でありながらも生活者の活気に満ちたコスモポリタンシティーとして発展していく。(佐竹一秀)
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2008-07-09
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