2008-07-03

中国が取材対応マニュアル 外国に積極提供、国内は規制

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【北京=峯村健司】中国国内で災害やテロなど大きな事件・事故が起きた場合、外国メディアに積極的に情報を提供し、広報・宣伝の強化を目指す「取材 対応マニュアル」を中国当局が策定していたことがわかった。国際世論形成の主導権を握ることを狙ったものだ。一方で、国内メディアに対しては独自取材やス クープを禁止。当局発表への一元化を求めている。

 中国筋によると、中国共産党の最高指導部・政治局常務委員会が「北京五輪を機に国家イメージを向上させるための対外宣伝活動強化の方針」を決定。 マニュアルはこれを受け、党中央宣伝部と国務院(政府)新聞弁公室が昨年9月に作成。各官庁や地方の報道担当者向けに配布した。

 マニュアルでは、「従来の対外宣伝が閉鎖的で十分な情報を提供しなかったため、外国メディアが憶測や誤解に基づく報道をした」と自省。実例とし て、情報隠しで内外から批判を浴びた03年の新型肺炎SARSへの対応を挙げた。情報の隠蔽(いんぺい)を禁じ、すぐに記者会見を開いて事実関係を公表す るよう定めている。

 国内メディアに対しては、独自の取材をせずに、国営新華社通信の報道や当局の発表を掲載するよう指示する。昨年7月に起きた北京テレビの「段ボー ル肉まん捏造(ねつぞう)報道」事件を機に中国製食品への不信が広がり、「我が国メディア界の大きな汚点となり、国家イメージに取り返しのつかないダメー ジを与えた」と指摘した。

 マニュアルは、メディアの役割を「うまく導いて利用すれば、危機を乗り越えるのに建設的な役割を果たしてくれる」と位置づける。四川大地震では記者会見を頻繁に開き、米ABCテレビは「透明性が飛躍的に高くなった」と評した。

 だが、3月のチベット騒乱では外国メディアの現地入りを禁じ、国内メディアを通じて暴徒が店舗や車を襲う場面を繰り返し流すことで、当局の制圧の正当性を印象づけた。


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