2008-07-08

求職者は減少傾向 福祉の就職相談会

:::引用:::
 社会福祉施設など福祉関係の職場へ就職を希望する人を対象に開いた就職相談会が6日、和歌山県田辺市文里の ガーデンホテル・ハナヨであった。都市部で民間企業の採用が活発化し福祉関係への求職者が減少する中、人材確保に力を入れるため昨年より1カ月早い開催 だったが、参加者は昨年より3人少ない77人(学生23人、一般54人)だった。

 相談会は田辺市社会福祉協議会と紀南福祉人材バンクの主催。夏と冬の年2回開催している。会場内には各施設の担当者と求職者が直接面談するコーナーや福祉職全体に関する相談コーナーが設けられ、来場者は真剣な面持ちで面談に臨んだ。

 求人側は今回、県内の障害者施設や老人ホームなど30施設が参加。求人数は昨年と同数の121人だった。

 ブースを出していた田辺市内の老人福祉施設は「求職者のほとんどが正職員を希望している。現場は人手不足で、できるなら雇用したいが施設を運営する上で難しい点もある。介護報酬の改定など国の施策の変換が影響している」と厳しい表情を見せた。

 西牟婁郡内で登録ヘルパーとして働いている女性(57)は「いまの仕事と職場はとても気に入っているが、年金など社会保障が十分でなく、将来に不安を感じている。同じ職種で保障を受けられる事業所があれば移ることも考えたい」と話した。

 人材バンクによると、事業者に支払われる介護報酬が引き下げられるなど、介護保険法や障害者自立支援法の影響で各施設では経営が厳しく、求職者と職場の待遇面で折り合いが付かないなど、職場への定着に課題があるという。

  会場には来春に卒業を控えたスーツ姿の学生も多く見られた。兵庫県内で福祉関係の短期大学に通う田辺市出身の女性(19)は「大阪や神戸でも就職面談会に 出席している。老人介護か障害者福祉か進路を決めかねているので、多くの事業所と面談することで進路を確定したい」と意欲を語った。

 田辺市内で老人ホームを運営する事業所は「何よりも意欲を持って働いてくれる人を募集している。今回話した新卒者には意欲的な人が多い印象を受けた」と感想を述べた。

 人材バンクは「学生の就職活動が早期化する中で、8月には就職先が決まっている学生が多いと聞く。今回は県外の大学に通う学生の参加も多く、紀南地方の求人情報をきちんと提供できたと思う」と話している。


【学生ら77人が来場した福祉職場の就職相談会(6日、和歌山県田辺市文里で)】
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