2008-07-03

電機連合:若者の技術系離れに歯止め 経営側と協議へ

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 電機産業の労働組合で作る電機連合(中村正武委員長)は3日、大阪市で始まった定期大会で、若者の技術系離れに歯止めをかける対策に取り組む運動 方針案を提案した。工学部志望の学生が減少、理系の学生でも技術系以外の産業に流れる傾向も加速しており、電機産業の未来へ危機感を募らせたためだ。

 電機連合の調査によると、工学部志望の学生は92年に約62万人いたが、07年には約27万人に減った。少子化を考慮しても若者の敬遠ぶりが目立 つ。中高校生の意識調査の国際比較でも、「将来先端技術者になりたい」と答えたのは、日本が約10%なのに対し、米国では20%超、中国では30%超だっ た。

 背景について電機連合は▽小中学生時代、ものづくりに触れる機会が少ない▽工学系の難しい授業や実験、リポートが敬遠される▽高等教育にかかった 費用と就職後の賃金水準が見合わない--などと分析した。事務処理能力の高さから、金融など他産業にリクルートされるケースも増えているという。

 08年の春闘で経営者側と協議した際、電機連合は危機感を訴え、労使共同でこの問題に取り組む「ものづくり教室労使実行委員会」の設置で合意し た。運動方針案は、実行委員会の設置を報告し、具体的な行動を経営側と協議するとした。組合側は小、中学生向けのラジオ工作教室開催などを検討。技術、研 究職の処遇の在り方などの検討も進め、「魅力的な仕事」へのイメージチェンジを目指す。

 中村委員長は「電機産業の未来のためにも『ものづくりは楽しいよ』というメッセージを労使で発信したい」と話す。【東海林智】


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