台湾人観光客が急増している郡上市八幡町で、観光施設の従業員らが、接客に必要な中国語を勉強したり、説明書きの中国語表記を検討するなどの対応を迫られている。 (近藤隆尚)
食品サンプルの「岩崎模型製造」の体験コーナーは、大半の台湾人団体観光のコースに入っている。以前はごく少なかった台湾人観光客は、この一年ほどで増加。今年一月から六月までに団体客を中心に約千人に達した。
添乗員が通訳をすることが多いが、サンプル作りは何グループかに分かれて行うため、同社の担当者七人も中国語を特訓。「ター(大きく)」「ユエン(丸く)」など、形容詞、動作の単語の片仮名読みをメモして、必要に応じ使っている。
担当者が「少しずつ通じるようになってきた」と笑顔を見せる一方、佐藤一作社長は「きめ細かい意思疎通やサービスのため、公的機関が通訳をあっせんするといったシステムも必要かもしれません」と、指摘する。
八幡町観光の拠点となっている郡上八幡博覧館も、昨年初めから台湾人観光客が増えている。中には、中国語の説明文に台湾で使う繁体字でなく、大陸で使う簡体字を使っているため、渋い表情をする添乗員もいるという。職員は「繁体字の案内作りも検討課題」と話す。
「漢字は通じるので商売にあまり支障はないが、特産のみそ、つくだになどを、どう説明したりPRしたらいいか迷うことも多い」と話す商店もある。
七月五日の東海北陸自動車道全通を目指し、市観光連盟は台湾からの観光客誘致に力を入れており、今後さらに入り込みは増えると予想される。言語の問題を中心に、各種サービス面で一層の対策が必要になりそうだ。
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