2008-04-14

日系ブラジル人に日本語教える伊木ロドリゴさん、アンドレさん /愛知

:::引用:::
 「ロドリゴはふとんをたたまない」「ロドリゴはふとんをたたみたくない」--。豊川市市田町の住宅街の一角にある日本語教室「FERA  idiomas」(ポルトガル語で「言語の達人」の意味)。同市在住の日系ブラジル人3世、伊木ロドリゴさん(21)とアンドレさん(19)の兄弟がここ で日系ブラジル人に日本語を教え始めて10カ月になる。

 兄は県立大3年、弟は愛知大2年の大学生。たまに難しい漢字がわからない時があるが日本語には不自由しない。しかし12年前、父フレイタスさん(46)、母エミリアさん(44)と一家で来日した時は日本語が全くわからなかった。学校でいじめられ、よく泣いた。

 「本当につらい思いをした。だから日系人の気持ちがわかる」と語る兄弟。何よりも日本語に苦しむ父の姿を見て「他のブラジル人はもっと困っているのだろうな」と教室を始めた。

 教室は土曜日の午前9時から午後10時20分まで。入門、初級、中級に子ども用の英語の計6クラスがある。豊川市をはじめ豊橋市、岡崎市からも70人近くが通ってくる。

 「日本語がわかって初めて日本と日本人の良さがわかった」と語る。テキストはすべて手作り。「テキストは普通ていねいな言葉で書いてあるけど、会社では『オレ明日会社休む』と言うでしょう。実際使われているしゃべり言葉を取り入れている」と説明する。

 言葉だけでなく、悩みの相談にも応じる。エアコンを買ったものの日本語の説明書がわからないと訴える人。頼まれてレンタルビデオ店に一緒に行った こともある。2人は「働いている人は単なる工場の一員じゃなく、自分からアイデアを出して、それが役立つことを願っている。それには日本語がわからない と」と強調する。「自分たちはポルトガル語を通して日本語を教えられる。自分たちにしかできない使命感、責任感がある」との自負も。特にロドリゴさんは高 校1年の時、白血病で7カ月入院した。千羽鶴や色紙で励ましてくれた中学、高校時代の友人らに感謝しているし「生き延びたとの思いもあるから人生を無駄に したくない。人の役に立ちたい」との思いが強い。

 英語が好きな兄弟。「英語は日本人と同じスタートラインで始めた。だから負けたくない」と。日本の英語教育に「文法ばかりの、受験のための英語。会話ができる英語教育じゃないと」。2人は英語の教師になるのが夢。ポルトガル語、日本語に次いで英語の達人も目指す。

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