県は17日、中国国内で「青森」に文字が酷似した「青淼」が商標申請されたため、登録を認めないよう中国商標局に異議を申し立てた、と発表した。県は「消費者が『青森』と混同し、県産リンゴの輸出に悪影響を及ぼすおそれがある」と反発している。(池田慶太)
県によると、「青淼」は中国語で「チンミャオ」と発音され、「きれいな水面」といった意味になる。県の委託で中国の商標申請を監視している特許法 律事務所が3月、商標申請の公告がなされているのを発見した。リンゴの絵とセットにしてあり、リンゴには「チンミャオ」の発音表記の頭文字「QM」が書か れていた。
申請者は、新疆ウイグル自治区の果物取扱業者。2005年7月に果物や穀物、植物、キノコなどの分類で「青淼」を申請。同局は1月13日、正式な登録に先立ち、基礎的な審査を終えた段階であることを示す公告を行った。
この業者が何の目的で申請したかは不明だが、県はリンゴの絵柄などから、「青森産リンゴを意識しているのは明らか」(総合販売戦略課)と指摘している。
県によると、この申請に基づいて商標申請が認められた場合、影響としては〈1〉「青森」が類似商標と見なされ、青森産の商品が中国市場から締め出 される〈2〉「青淼リンゴ」が「青森産リンゴ」と誤解されたまま中国で出回る――といった事態が想定される。このため、県は4月14日、県りんご協会など 5団体との連名で、同局に異議を申し立てた。裁定が下るまでは4年以上かかる見通し。
鳴海勇蔵・農林水産部長は17日の記者会見で、「非常に紛らわしい、我々も想像つかないような商標登録があったことは非常に残念。青淼の使用が許可されれば、高い評価をすでに得ている青森リンゴに経済的な損害が出る」と述べた。
県によると、中国の商標法では、広く知られた外国地名を商標とすることは禁じられているものの、類似名を禁止するような明確な規定はない。
海外での知的財産権保護を支援する日本貿易振興機構(ジェトロ)広報室は、「青淼が中国独自の意味を持ち、『青森』と混同しないと判断されれば、青森県の異議が認められない可能性もある」と指摘している。
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