2008-04-29

イタリア総選挙:極右政党、与党中枢に 外国人嫌悪、広がる恐れ

:::引用:::

 【ローマ藤原章生】ベルルスコーニ前首相を復活させたイタリア総選挙では、小政党にも変動があった。東欧、アジアやアフリカなどからの移民を嫌悪 する極右政党「北部同盟」が票を倍増させ、与党の中枢に食い込んだ。一方、外国人保護をうたう伝統的な左翼は後退した。新政権の政策次第では、外国人への 嫌悪など不寛容さが広がる危険もある。

 北部同盟は、ベルルスコーニ氏が率いる中道右派連合の一翼を担い、前回06年の得票率4・5%が今回は上下両院で8%台へと躍進した。

 イタリアには豊かな北部と貧しい南部という南北問題がある。北部同盟は91年、ミラノのあるロンバルディア州を拠点に、北部の自治を求めて発足した。移民排斥も地域住民が第一という考えの一環と言える。

 国家統計局によると、イタリアには06年末までの5年間に約294万人の外国人が移民として登録している。他にも不法滞在者は多く、北部同盟の議員らは、特にイスラム教徒への差別発言を繰り返してきた。

 イタリアでは中国人が増え、ローマやミラノでは街の一角に中国人街ができつつあり、一部住民の反感もある。

 一方、ベルルスコーニ氏は「犯罪の36%は違法移民によるもの」と述べ、公約として違法移民対策をあげており、移民全般への風当たりが強まる懸念がある。移民に比較的寛容だったプロディ中道左派前政権から政策が変わる可能性がある。

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 ■ことば

 ◇イタリアの選挙制度

 「多数派優遇の比例代表制」と呼ばれ、定数630の下院では最多得票の政党が実際の得票率に関係なく約54%の340議席を確保できる。残りの議 席は2位以下の得票で配分される。定数315の上院は20州ごとに集計、最多得票政党に55%の議席が与えられる。上下両院は同等で安定政権作りには両院 での過半数獲得が必要。


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