人材を科学技術界へと導く「アメ」がない。韓国の科学技術者たちは待遇などの面で感じる相対的な剥奪感がひどい。科学技術者として彼らが最も満足する部分は「適正発揮」(81.5%)、あまりにも当然な項目に10人中8人が丸をつけたのだ。
●研究環境や政府の政策に「不満」
科学技術者たちは韓国の研究環境に満足していない。
調査対象の科学技術者3人中1人は韓国の研究環境が悪いと答えた。一方、環境が整っていると答えた回答は16%に止まった。
しかし回答者の半数近くの49%は、韓国の科学技術水準は経済協力開発機構(OECD)の「平均」並みだと答えた。「世界最高」と「世界トップ圏」という回答も29.5%だった。
姜泰晋(カン・テジン)ソウル大学工学部学部長は、「研究成果やレベルに対するプライドは高いが、科学技術者らがねがうほど、経済的、社会的な支援が行われていないことへの不満を表した結果だ」と話した。
政府の科学技術関連政策については、71.5%が非効率的だと答えた。「効率的」という回答はわずか3%だった。
00年以降、政府が理工系離れを食い止めるために出した代表的な政策の「理工系奨学金」や「科学高校や英才教育の拡大」などが役に立っているという回答は10%にも達しなかった。
韓国開発研究院(KDI)の金ギワン研究委員は、「成果に対する確実なインセンティブでも導入して、有能な理工系人材の賃金水準を高めるなど、実質的な支援が必要だ」と語った。
●理工系の定員を減らして、源泉技術を確保すべし
韓国の大学における理工系人材の供給構造にも問題があるという指摘が多かった。
科学技術者の56%が、韓国の大学は理工系定員が多いと回答したのに比べて、適当だという回答は35%に止まった。
大学院の理工系定員も49.5%が多いと回答した。
ポステク(旧浦項工科大学)の任敬淳(イム・ギョンスン)教授(科学史)は、「現在の大学の理工系の規模や構造は1970年代から80年代に作られたもので、核心産業を中心に再編しようとする趨勢においては、供給過剰になりやすい」と指摘した。
ミン・チョルグ科学技術政策研究院(STEPI)先任研究委員は、「理工系定員の20~30%を減らし、優秀な少人数を育てるべきだ」と述べた。
一方、今後10年間、国のレベルで最も集中すべき分野としては、「基礎科学の研究」(39.8%)や「応用科学の研究」(38.71%)を取り上げた科学技術者が最も多かった。
韓国職業能力開発院の陳美碩(チン・ミソク)人的資源研究本部長は、「産業技術は企業が開発できるものであり、国のレベルでは源泉技術の確保に必要な基礎や応用科学の研究に集中すべきだ」と語った。
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