マイクロソフト株式会社は4月15日、IT技術者などを対象としたプライベートカンファレンス「the Microsoft Conference 2008」を開催。基調講演では、米Microsoftプレジデントのジェフ・レイクス氏、マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏が登壇。 「HEROES happen {here} ~ヒーローは{ここ}にいる」をキーワードに、同日正式発表されたWindows Server 2008、Visual Studio 2008、SQL Server 2008を紹介した。
レイクス氏は、「過去100年間の工業化の背景には、鉄道を敷設した人々などさまざまなインフラを整備し支えた人々がいる。現在、情報ベースの エコノミーを支えている人々も同様だ。これらはヒーローと呼んでいい人々だ」と、ヒーローは特別な存在ではなく、すべての人がヒーローになりうると説明。 「今回、来場していただいた方々もITインフラを支える“ヒーロー”だ。今日は皆さまを祝う一日としていきたい」と、ITの現場で働く人々は“ヒーロー” であり、それを支えるインフラを提供するのがマイクロソフトの役割であると述べた。
そのITも大きな変化が訪れているとレイクス氏は指摘する。「モバイルやブロードバンドの普及、さまざまなITインフラの利用。それに伴いセ キュリティを意識する重要性、さらにコストとのかねあいなど、ITの現場にはさまざまな緊張が存在する。ITを使ってビジネスを進歩させるのに、今ほど重 要な時期はない」と、ITがビジネスに大きな影響を与える存在になっていることを改めて説明。「マイクロソフトは、こうした現状に対し、イノベーションへ の投資にコミットし続ける」と、ITの現場で働く“ヒーロー”を支えるとした。
その中でも、ダイナミックITへ積極的にコミットすると宣言。「次世代データセンターでは、仮想化・管理性・自己修復・高可用性といった機能が 求められる。また、そこで動作するアプリケーションは、自社導入で使う方法以外にもSaaSとして利用するなどさまざまな利用形態が求められている。マイ クロソフトは、ダイナミックITを実現する製品を提供する」(レイクス氏)と、今回発表されたWindows Server 2008、Visual Studio 2008、SQL Server 2008を紹介した。
3製品の特長として、1)セキュアで信頼性の高いプラットフォーム、2)仮想化、3)次世代Web、4)ビジネスイン テリジェンス、の4つを紹介。信頼性については、「Windows Server 2008では、余分な機能を入れないなど、既定で厳しいセキュリティ設定が行われているのが特長。SQL Server 2008の監査機能はコンプライアンス対策にも有効だ」(レイクス氏)。仮想化は、Hyper-Vのほか、ターミナルサービスなどさまざまなレイヤの仮想 化を実現するプラットフォームである点を強調。次世代Webでは、Visual Studio 2008とMicrosoft Expressionとのシームレスな連携による、リッチなWebページが実現できる点などを紹介した。ビジネスインテリジェンスでは、SQL Server 2008のBI機能をベースに、使い慣れたOfficeから利用できる点などがユーザーにとってのメリットになると述べた。
基調講演では、製品ロードマップも公開。SQL Server 2008が2008年第3四半期にリリースすることや、Windows HPC Server、Windows Essential Business Server 2008、Windows Small Business Server 2008などを引き続きリリースする予定であることが発表された。
引き続き登壇した樋口氏からは、国内展開の内容などが紹介された。「マイクロソフトでは、これまで製品の発表を行って きていたが、今回はパートナーを重視した発表とした」と、業界の各パートナーと連携した発表であることを強調。これにより、2008年夏までにハードウェ アで110以上のWindows Server 2008対応製品が投入される。また、ソフトウェアも認定ロゴを取得・取得予定のものが16種、対応製品で500以上のアプリケーションが登場すると、新 製品発表の段階で異例ともいえる充実した状態になったと述べた。
特に認定技術者が700名以上も存在することに触れ、「製品発表の時点で認定技術者がいること自体が初めてなのに、それが700名も存在する。非常に力強いこと」と、Windows Server 2008はすでに導入可能な製品であることを強調した。
基調講演には、パートナーを代表して伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)取締役兼常務執行役員 クロスファンクショングループ担当役員の後藤健氏が出席。「CTCはサンやオラクルといった製品をいち早く日本市場に投入してきたが、今では Windowsベースのシステム構築も充実させている。今回のWindows Server 2008では、242名の認定技術者を用意しており、すぐにWindows Server 2008システムを構築できる状態となっている。“WindowsもCTC”と認知されるようにがんばりたい」と述べた。
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