2008-04-03

ゼロ次機関:岐阜の会社、外国人実習生らの管理業務代行

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外国人研修・技能実習生制度で、岐阜県関市内の縫製関連会社が、制度に反して実習生らの「管理業務」を代行した上、給料を最低賃金以下に抑えるなど の違反行為を実習生らの受け入れ機関に指南していた実態が、関係者の話で分かった。法務省は、国から受け入れ許可を受けた協同組合などの団体(1次機関) や企業(2次機関)以外の、営利目的の介入を同制度で禁止。縫製関連会社の立場は通称“ゼロ次機関”と呼ばれる。この機関を直接裁く法律はなく、制度の不 備を指摘する声が上がっている。

 複数の関係者などによると、この会社は約2年半前から給料支払いなど、県内で縫製業などの5協同組合の業務を代行。最盛期の昨年4月には約1500人の実習生らを管理し、1人につき毎月約4000円の代行費を組合から徴収していた。

 同社に業務委託する組合は「グループ」と呼ばれ、各組合が不定期に開催する勉強会などに、同社代表の男(58)らが出席。税務署に提出する帳簿と労基署に提出する帳簿の分け方など、組合員の企業に不正行為のノウハウを教えていた。

 男は13年前、自ら設立した縫製会社に中国人実習生の受け入れを開始。05年夏に周囲の縫製業者から「面倒な手続きを代行してほしい」と依頼され、縫製関連会社に行政書士を雇うなどして業務代行を始めた。

 しかし、昨年3月、グループの1組合が実習生への賃金未払いで名古屋入国管理局から3年間の受け入れ停止処分を受けた。さらに、別の組合の賃金未 払いで、この組合の顧問も務めていた男は労働基準法違反容疑で書類送検され、規模が縮小。現在は3組合計約500人を管理する。男は取材に「ゼロ次機関は 他にもある。申し訳ないと思い、先月末で経営から身を引いた」と話す。

 入管のある担当者は「入管法は“ゼロ次機関”を想定していないので、入管の指針を拡大解釈して行政処分するしかない。抜本的な制度改革が必要だ」 と語る。市民団体の外国人研修生問題ネット福井の高原一郎事務局長は「5省庁が制度を所管するという責任の不明確さが営利目的の介入を許し、罰則が無いた めやり得になっている」と指摘している。

 ◇外国人研修・技能実習生制度 政府が90年、従来の企業研修制度を改正し、労働力不足の繊維業など中小企業、農業など個人事業主も、海外企業で 働く研修生を受け入れられるようにした。研修は原則1年。技能実習に移行すればさらに2年滞在が認められる。研修生は非労働者(研修手当を支給)、技能実 習生は労働者扱い。


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