2008-10-01

「少子化関連」再点検

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いよいよ発足した麻生太郎内閣。しかし、閣僚の顔触れは首相と同じ文教族で固められ、「居抜き」「お友達内閣」と揶揄(やゆ)する声も少なくない。そんな中、新内閣で唯一のサプライズとも言えるのが、戦後最年少の34歳で入閣した小渕優子少子化担当相だ。小渕少子化担当相の誕生で、今後もより一層関心を集めそうな“少子化関連銘柄”を再点検してみたい。

内閣府が先に発表した「平成20年版 少子化社会白書」では、少子化の状況や施策などが報告されている。ここで挙げられているいくつかのキーワードをもとに、関連する銘柄を探ってみたい。

同白書では、労働力人口の減少が予想される中で若者や女性、高齢者などの就業支援をする仕組みづくりが必要としている。しかし、現実には、仕事をしていた女性の大半が出産半年後に無職となっている。また、仕事と出産・子育てが二者択一となっている状況もあり、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の重要性が見直され始めている。

「女性の再就職支援」といった観点では、ディップ(2379・東マ)に注目。同社は7月、子育てを楽しみ、仕事もこなしたいと考える女性を応援する派遣求人情報サイト「はたらこママ派遣」を開設。ワーキングマザーに特化した派遣求人サイトは業界初という。ユーザーの志向に合わせた働き方の提案、家庭との両立法を提示していく。

JPHD 日足

また、女性経営者率いるフジスタッフ(2147・JQ)でも、女性社会復帰支援サイト「ff—WOMAN」を運営。

「ワーク・ライフ・バランス」関連では、保育所など子育て支援分野がクローズアップされてこよう。保育所運営のJPホールディングス(2749・JQ)は、もともとの主力は遊技場向け飲食サービスだが、目下、売り上げの5割強が子育て支援事業が占める。

“ネットスーパー”にも連想がわく。ネット上でスーパーマーケットの商品を注文すれば即日届くというサービスで、セブン&アイ・ホールディングス(3382)など大手スーパーが続々と参入している。楽天(4755・JQ)でも食材配送サービス「グルメスピード便」を6月からをスタート。忙しい母親を中心に利用者が増加している。

「妊娠・出産の支援」も政府が進める少子化対策の1つ。政府では不妊治療に要する費用の一部を助成し、経済的負担の軽減を図っている。ジェネリック医薬品(後発医薬品)大手の富士製薬(4554・JQ)は、不妊症治療薬を中心とするホルモン剤が急成長。今9月期からの中期計画でも、3カ年でホルモン剤の売上高を2倍の65億円とすることを掲げている。

少子化は、親が子供1人当たりに使う金額の上昇にもつながっている。「子供の学びの支援」としては、0歳児から6歳児までの発育段階に合わせて、育児情報や教育教材を配布するベネッセ(9783・大証)が有望株。同社は事業所内外に託児施設を設置・運営していることなどから「女性が働きやすい職場」としても知られており、女性の社会進出が進むとともに脚光を集めそうだ。

そのほか、おもちゃ開発のウィズ(7835・JQ)、幼児や小学生のスポーツクラブ指導を手掛ける幼児活動研究会(2152・HC)も、少子化関連銘柄としてマークしておきたい。(Y)

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