【モスクワ大前仁】ロシア・東シベリア産の原油を東アジアに輸出する「太平洋パイプライン」をめぐり、ロシアと中国は28日、中国向け支線(露スコ ボロジノ-中国・大慶)のロシア領内のパイプライン建設を行う協定に調印した。支線計画が始動し、日本向けを想定した本線・太平洋ルートより一歩先んじる ことになった。
インタファクス通信などによると、温家宝・中国首相とプーチン露首相が同日、モスクワで会談し合意した。これを受け、ロシア国営企業「トランスネ フチ」と中国石油天然ガス集団(CNPC)が、スコボロジノから中露国境までのパイプライン建設・利用に関する原則協定に調印した。建設距離は約70キ ロ。セチン露副首相(エネルギー産業担当)によると、費用負担など詳細についてはさらに協議を重ね来月25日までの合意を目指す。
原油確保を目指す中国は大慶までの支線建設をロシアに強く働きかけてきた。日本は当初、ロシア側に太平洋ルートの建設優先を求めてきたが、構想にとどまっている。
露紙コメルサントによると、中露は05年、10年までに原油4840万トンを中国へ輸出する協定を締結。しかしロシア側は設定原油価格に満足せず、計画は棚上げになっていた。
ロシアは06年春に東シベリア・タイシェトからスコボロジノまで2400キロの1期工事に着工。今年末までの完工予定は大幅に遅れ、ナホトカまでの2期工事はめどが立っていない。
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