一目で用件が把握できないメール、異様に大きい添付ファイル、あるいは「帰宅時に終了と間違えて再起動してしまった」など、パソコンを使っ ていると腹が立つことがしばしば。メールを送ってきた相手に対してであったり、パソコン自体の挙動であったり……。本特集では、そんなイライラを解消する ヒントを紹介しよう。自分のイライラを解消するだけでなく、相手をイライラさせないようなマナーを身に付けることが肝心だ。
「件名:よろしくお願い」症候群
自分がやられて頭にくることは人にやらない──これはパソコンに限らずマナーの基本だが、会社の場合、下手をすると「仕事ができないヤツ」と思われるから注意が必要だ。まずはメールの作法から見ていこう。
相手の受信トレイを念頭に
メールを出す際に大事なのは「受け取る相手の身になって考えること」だ。何十、何百というメールが届く多忙なビジネスパーソンの受信トレイを想像してみ よう。迷惑メールも少なくない昨今、通常のビジネスメールでさえ、何十行もある本文は読む気がしない。用件は手短に。長いならサマリーを添える。スクロー ルしないで内容が分かるのが理想だ。
さらに言えば、送信者と件名だけ見て大まかな内容が分かるのがベスト。今すぐじっくり読むべきか、後で読めばいいようなものか、すぐに判断できないメールは困る。
最悪なのは「よろしくお願いします」「教えてください」といった件名。何をよろしくなのか書いていない(図1)。多忙な相手の立場で考えるなら 「【商品の質問】HDD160UXの対応OSを教えてください」などと、件名だけで内容を把握できるようにすべきだ。どれくらい具体的に書くかは相手にも よるが、注意したいのは取引先への“はじめましてメール”。件名は相手の第一印象を左右するからおろそかにできない。
【1行でワカるのがベスト、「添付しました」はワースト】 |
図1 送信者と件名だけ見て大まかな内容を把握できるメールがベスト。件名として望ましい例と悪い例をペアにして示した。「よろしくお願い」「例の件」「○○のお知らせ」はタブー。すぐに内容が分からないばかりか、後で過去のメールを探すときにも困る |
いいかげんな件名で一番困るのは、後でメールを探すときだ。受信トレイの送信者と件名で「これだっ!」と分からない「よろしくお願い」系は困る。また、一覧性に配慮する場合、送信者の名称も重要だ。日本人相手なら名称は日本語で。具体的な設定方法はこちらで解説する。 大長編の本文よりも頭にくるのが、件名や本文に用件が書いてない、「添付ファイルをご覧ください」というヤツだ(図2)。本文のスクロールさえおっくうなのに添付ファイルを開けなど言語道断。添付ファイルを付けるにしても、サマリーは本文に書くのが筋だ(図3)。
最近は、パソコンあてメールを携帯電話に転送しているユーザーもいる。携帯電話にWordやExcelファイルのビューワーがない場合、件名や本文に用件が書いてないメールは迷惑千万である。
ただ、気を付けたいのは「原稿」を送るとき。上司に添削を依頼するスピーチ原稿など、相手が編集する文章は必ずファイルとして添付するのが定石である。 原稿を本文に貼り付けるとメールソフトによっては文章の途中で自動的に改行されてしまう。これではワープロソフトなどにコピーして編集する際に困る(図 4)。
自動改行はメール送信時に行われる。OutlookやWindows XP SP2より前のOutlook Expressがこれに該当する。図5のように自動改行する文字数を変更できるのだが、最大で半角132文字なので問題の解決にはならない。
SP2以降のOutlook ExpressやWindowsメールでは基本的にこの問題は起こらない。ただし文字コードがJIS以外の欧文メールの場合、図5で指定した文字数を超えると、半角文字のところで自動改行されることがあるので注意が必要だ。
【原稿はファイルとして添付するのがマナー】 |
図 4 Outlook Express 6(OE6)で受信したメールの本文をコピーしてほかのソフト(秀丸エディタ)に貼り付けたところ。半角80文字の部分で自動的に改行(↓の部分)が入っ ている。原稿など相手先で編集する文面は本文ではなくファイルとして添付するのがマナーだ |
図5 OE6で「ツール」→「オプション」を選んで「送信」タブを開く。「メール送信の形式」で「テキスト形式」を選び、「テキスト形式の設定」を押すと何文字で強制改行するかを指定できる。ただし最大で132文字(半角)なので、図4の問題の解決策にはならない |
さて、頭にくるというより、むしろあきれてしまうメールが携帯電話ではしばしばある。自分が誰かを名乗らないメールだ。携帯電話からの場合、受信トレイ の「送信者」欄にはアドレスがそのまま表示されるが、たいていは「love-nikkeibp0821@docomo.ne.jp」などというアドレスで 初見だと誰だか分からない(図6)。この場合も一覧性に配慮して、件名で名乗るのがベスト。
【ケータイからだと誰が休むのかワカらない】 |
図6 携帯電話のメールアドレスは、初見では誰だか分からないことが多い。こんな本日休業メールは言語道断。件名や本文に「○○です」と名前が書いてないと、誰が休むのか分からない |
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