<名古屋ふれあいユニオン酒井徹さんの報告です。> トヨタ系光精工は直接雇用を継続せよ ——直接雇用継続求め60人スト突入へ—— http://imadegawa.exblog.jp/9297657/ ■長年にわたる偽装請負 トヨタ下請けの光精工(正社員労組は全トヨタ労連加盟)で働く 外国人労働者74人が直接雇用の継続を求め、 10月12日からの無期限ストライキを通告して 闘っている。 同社ではすでに、 9月19日と23日の2日間、 波状ストが決行されている。 光精工では長年、 日系ブラジル人を中心とする約320人の外国人従業員が 偽装請負の状態で働いてきた。 2007年10月からは「派遣」に切り替える体裁を 会社は整えたのであるが、 現場での指揮命令系統などは何ら変わることはなく、 偽装請負時代から通算した実質的な派遣期間は、 派遣法上の派遣可能期間の上限である3年を とっくの昔に超えていた。 偽装請負を派遣に切り替えるにあたり、 賃下げするとの通告に抗議し解雇された労働者が、 三重県の個人加盟制労働組合・ユニオンみえに加盟。 三重労働局に違法な雇用実態の申告を行なった。 その結果、三重労働局は今年3月、 「雇用の安定をはかるように」と会社に指導したという。 ユニオンみえの労働局交渉の中で、 三重労働局の久米職安課長は、 「雇用の安定」とは「期間の定めのない雇用」のことだと 回答した。 だが、光精工が実際にやったことは、 これまで偽装請負・違法派遣の形態で 働いてきた労働者を、 6ヶ月の期間雇用労働者として雇うという、 いわゆる「クーリング期間」の設定にすぎなかった。 ■直接雇用労働者をクビにして派遣に!? 直接雇用労働者となったものの、 外国人労働者の労働条件は、 派遣状態のときとまったく変わるところがなかった。 依然として「派遣会社」が雇用関係にまで介入する、 いわゆる「偽装直接雇用」状態が続いたのである。 また、 6ヶ月たったら元の派遣に戻すという話も、 派遣会社の担当者らから漏れ伝わってきたのである。 これに危機感を持った外国人労働者約80人が ユニオンみえに加入。 安定した雇用のもとで働けるようにしてほしいと 光精工に要求した。 光精工は団体交渉の席上、 一旦は 「組合と話し合って解決をはかる」と約束した。 ところが9月15日、 ユニオンには何の相談もなく、 ユニオンみえ組合員を含む労働者200人以上に対して 「10月15日で雇用契約を打ち切る」と 一方的に通告を行なったのである。 仕事が減ったのかというと、 どうもそうではないらしい。 ユニオンみえが会社に問い合わせたところ、 「派遣でなら受け入れる」と言うのである。 ユニオンみえはこれに抗議。 翌9月16日には 組合員全員参加の団体交渉を開催し、 雇用打ち切りの撤回を約束させて、 確認書への調印の約束も取り付けた。 ところが、 会社側は一向に、 約束した確認書への調印を行なおうとしない。 ユニオンみえ側がこれに抗議し、 9月19日、本社工場においてストライキに突入したところ、 光精工は9月16日団体交渉における約束を反故にして、 確認書にサインしないと通告、 あくまで10月15日で雇用を打ち切り、 仕事を続けたければ派遣になれといったのである。 ■「偽装出向」の疑い濃厚 そもそも労働者派遣は、 「臨時的・一時的」な労働者導入の必要性から 労働者派遣法で認められているのであり、 直接雇用労働者の代替としての導入はそもそも想定されていない。 3年以上労働者を「派遣」のままで使うことができないのも、 「3年以上継続する業務は『臨時的・一時的』業務とは とうてい言えないわけであるから、 直接雇用しなさい」という意味なのだ。 それを、 派遣労働者を3年以上使い続けたがために 一旦直接雇用した労働者を派遣に戻す、 直接雇用労働者をクビにしておきながら 一方で派遣労働者を導入するなど、 とうてい認められるはずがない。 光精工の外国人労働者の中には、 実に14年もの長きにわたり働き続けた労働者も いるほどなのだ。 たった6ヶ月直接雇用を行なっただけで、 これまで長年の偽装請負・違法派遣が チャラになると思ったら大間違いである。 2007年11月16日、 名古屋高裁はこうした短期間の直接雇用の後 再び派遣に戻す手法を、 「『直接雇用』期間中も 派遣会社からの状態にある」と認定した (ラポールサービス事件。 名古屋高等裁判所平成19年(ネ)第677号 地位確認等請求控訴事件 原審 名古屋地方裁判所平成18年(ワ)第3833号)。 この判決は 愛知県の個人加盟制労働組合・名古屋ふれあいユニオンの 平田実男組合員が、 派遣会社との法廷闘争の末に 闘い取ったものである。 ■2009年問題の前哨戦 2009年3月には、 派遣法の改正にともない 合法的に派遣労働者の受け入れをはじめた 多くの製造業工場で、 「派遣可能期間」の抵触日を迎える。 その日以降、「派遣」で働いている労働者らを 企業が使い続けることを欲するならば、 派遣先は直接雇用を行なわなければならない。 しかし派遣先の中には、 こうした光精工のやり方と同様、 一定期間の「クーリング期間」を置けば 過去の労働者派遣の実績はチャラになり、 一旦直接雇用した労働者らを再び派遣に戻して良いと 勘違いしている部分がある。 (厚生労働省が9月26日に出した 「2009年問題の対応に関する通達」でも、 こうした手法は認められていない)。 光精工闘争はいわば、 過去に違法な労働者派遣が行なわれていたために この2009年問題が前倒しされた形で起こった 問題と言える。 2009年に全国の工場で 「派遣可能期間抵触日」を迎えた際に、 そこで働く非正規雇用労働者らが 安定した雇用をきちんと得ることができるのかどうか、 光精工闘争はその行方をうらなう、 2009年問題の前哨戦となるのである。 ■「ピケで、派遣労働者再導入阻止」 ユニオンみえはこの闘争を勝利に導くため、 9月23日にもストを打ち、 波状ストで闘っている。 そして、10月12日からは いよいよ無期限ストライキに突入する。 ユニオンみえの広岡法浄書記長は訴える。 「ストライキ中の職場に派遣することは 派遣法で禁止されています。 会社はあくまで組合と 全面対決をして雇い止めを強行するのでしょうか。 そうなったら私たちは 派遣労働者を一人たりとも中に入れないために、 ピケットを張って闘う権利があります」。 「私たちは安心して働き続けることのできるよう、 ピンハネをなくして仕事に見合った賃金が支払われるよう、 当たり前の要求をしているのです。 組合はストライキを打って闘います。 スト決行の10月12日には 桑名市内で決起集会とデモを行ないます。 全国のみなさんのご支援をお願いします」。 10・12光精工決起集会へ! 長年にわたり偽装請負で働いてきた光精工労働者らの 雇用継続・雇用の安定を勝ち取り、 2009年問題の前哨戦に勝利しよう! 「光精工の偽装直接雇用を粉砕し 期間の定めのない雇用を実現する決起集会」 日時:10月12日(日)午後1時から 場所:うまさかした公園(桑名市新西方・マイカル桑名となり) (JR・近鉄桑名駅より三交バス5・6・7番線 「マイカル桑名」・「マイカル桑名口」下車。 名古屋駅名鉄バスセンターより 三交バス1番線「マイカル桑名口」下車) デモ行進:桑名市大山田団地一帯 |
2008-10-09
トヨタ系光精工は直接雇用を継続せよ〜60人スト突入へ
:::引用:::
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