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中国における人材とそのかかわり方(12)
転職することは社員(個人)の問題と捉えがちですが、会社に(もしくは管理者)に問題はないでしょうか?良い人材を能力に見合った待遇で採用。人事組織の仕組みを形成し、しっかりと継続、フォローする。社員の適正に合った質の高いトレーニングを継続する。
上記のことを実践することで、会社の目標に達成します。どれかひとつでも欠けてしまうとバランスが保てなくなります。たとえ売り上げが上がったとしても、一時的なものや人数が増えたに過ぎず、個人の売り上げは上がってはいないのです。
生産設備に投資することももちろん必要ですが、今後は人材に投資することで、大きなリターンが返ってきます。人材採用、人事組織形成、人材トレーニング をして成果をすぐに期待する方も少なくありません。ただ、短期的にはそれを達成することは難しく、これはまさに日本人が得意とする『継続』によって、業績 が上向いてきます。
会社に貢献する人材には、給与にしかり、保障にしかり、トレーニングにしかり、会社としてしっかり提供してあげな ければなりません。そのことによって、企業がさらなる成長をします。社員が短期的、長期的で勤務できるかどうかは、経営者(管理者)の考えによります。反 対に、会社にとって貢献しないと思われる人材なら、それなりの給与ということになってしまいます。
今後はますます人材の二極化が進む ことになるしょう。一人ひとりの売上単価が上がれば、給与を増やせばいいですし、下がれば、それなりの対応をしなければなりません。もちろん長期的に見た 上でのことなので、毎月の給与ではなく、ボーナスとして上乗せすることも可能です。
給与についてさらにお話しすると、中国では前職の給与を参考にして現職の給与を決めるケースが多いです。私がポイントとして考えていることは、この人材の市場価値はいくらぐらいで、なおかつ、会社で採用する場合はこれぐらいが妥当であるか考えなければなりません。
社内のバランスもありますが、どれぐらい稼いでくれるかで給与が決まるわけですから、きちんとした理由があれば、給与を上げる、もしくはボーナスを別で支給することは当然です。ですが、日本人の管理者の方は一律ということを常に焦点においているように感じます。
実話ですが、A社は中国人を採用。前職は3000元の給与で、面接時に希望の給料を6000元と告げられ、その給与で採用しました。しかしその求職者は 3000元の給与に値する能力がありませんでした。この場合、求職者の意見を鵜呑みにしてだまされたと錯覚する方がいますが、採用する側がその人にそれだ けの価値があると考えたに過ぎません。
反対に、B社は日本人を10000元で採用しました。経験上15000元の給料でもおかしくな かったのですが、そのまま1年が過ぎ、給与は1000元程度しか上がらず(社内のバランスもあるのであげられず)、その方は退職し、さらに高い給与 (20000元)の会社へ転職されました。
ここからも分かるように、前職の給与や他の会社の給与をあまり参考にしないほうがいいと思います。現在中国の日系企業でトップに立たれている方は、管理だけではなく、実務業務(営業や製造などにかかわる仕事)も見られているので、かなり忙しいはずです。
だからこそ、権限を割り振り、ポイントに絞った管理することが重要です。人事についてはこれからますます重要性が増します。経費をかけても、ノウハウを もった外部の人事コンサルティング会社を利用することにより、よりよい人事部を作り上げていくことができるのではないでしょうか?
筆者:橋本哲哉(はしもと てつや、ICHIコーポレーション 副総経)
提供:ウェネバービジネス
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