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今回は、中国オフショア開発における見積工数と査定工数の乖離について、迫ってみたいと思います。
◆中国オフショア開発では、見積工数は、査定工数よりも大きくなりがち?
よくこういうご質問を頂くことがあります。しかし、必ずしもそのようなことはないと思います。もちろん、見積工数が査定工数よりも、かなり大きくなるこ ともありますが、逆に小さくなることもあります。また、見積工数と査定工数がモジュール単位でぴったりとなり、ビックリしたことも何度もあります。
◆見積工数と査定工数の主な乖離原因
日本国内の取引において競争入札を行うと、各社ごと、見積工数に大きなばらつきが出ることも決して珍しいことではないと思います。
ソフトウェア開発の見積はそんなに簡単なことではなく、見積者の経験、仕様の理解度、解釈方法、リスクの考え方や発注者側からの仕様説明方法、Q&A方法等により、大きく左右されるのではないかと思います。
発注者の査定工数とパートナーの見積工数に差異が出る原因は、主に以下のようなものではないかと思います。
【発注者側の原因】
1)提示ドキュメントの情報不足
2)仕様説明の不足等
【受注者側の原因】
1)使用理解不足、解釈方法の違い
2)見積リスクの考え方
3)開発ツールの使用経験、習熟度
4)仕様変更に対する考え方等々、いろいろです。
よく心配されがちな見積工数と査定工数の乖離という問題は、特に中国オフショア開発に限ったことではないと思います。
◆査定工数よりも見積工数が小さい時は?
あるプロジェクトにおいて、中国パートナーから見積書を入手したところ、予め査定した工数よりも見積工数が小さい場合、どうしますか?
発注者としては、開発コストを小さく抑えられ、歓迎すべきことですね! しかし、その裏には仕様上の行き違いが潜んでいる可能性が高く、後々のトラブル に発展する危険性を感じます。したがって、トラブルを未然に防止するため、査定工数よりも見積工数が小さい場合、差異のある部分についてのみ、再度、仕様 説明を詳しく行うべきだと思います。
発注者としては、せっかく安価な見積を入手できたのにわざわざコストを高くするような行為で、一見矛盾しているように思えます。
しかし、むしろこのような対応をすることにより、パートナーの仕様理解度を高め、トラブルを未然に防止することもできると同時に、パートナーとの信頼関係も厚くなり、もっと大きな意味でのメリットがあると思います。
さて、いかがでしょうか?(執筆者:末富昌幸)
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2008-07-11
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