子供向けの教材販売や通信教育を手がける企業が、少子高齢社会への対応を急いでいる。教育熱が高まる中国で事業を拡大したり、逆に高齢者向けビジネスに乗り出す企業も登場。市場縮小に対する危機感は強く、あの手この手で生き残りを目指している。
ベネッセコーポレーションは、幼児向け教材「こどもちゃれんじ」の中国版「楽智小天地」=写真・ベネッセ提供=を強化中。06年に上海の出版会社 にライセンスを供与して中国市場に進出し、今年1月には全額出資子会社を設立して体制を強化した。経済発展と一人っ子政策で教育熱は高く、毎月88元(約 1300円)の教材会員は今年3月末で10万人を突破。「2010年には会員を3倍にしたい」と鼻息が荒い。
中国事業強化の背景には、国内市場の縮小がある。こどもちゃれんじの会員はピークの00年に152万人に達したが、07年4月には約2割減の127万人に減少。教材市場全体が飽和状態との見方も強まっている。
一方、参考書最大手の学習研究社(学研)は、高齢者専用賃貸住宅を運営する子会社を04年に設立した。1960~70年代、自分の子供用に学研の 教材を選んだ世代がターゲットだ。「安心が求められる高齢者住宅に、学研のブランド力を生かす」という。既に首都圏で3棟を運営。10年4月までに計20 棟の開設を目指す。
高校生向け教材で知られるZ会(静岡県長泉町)のように、小中学コースを開講して本業を強化するケースもあるが、やはり鍵は多様化。「塾やパソコ ンなど学習方法の選択肢が増え、親や子供たちが何を求めているか見えにくい」(学研)ことも、危機感の背景になっているようだ。
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