スコットランド・プレミアリーグの強豪セルティックでプレーする中村俊輔選手(29)の活躍が契機となり、チームの本拠地・英グラスゴーでは日本語人気が 小中学生の間で急上昇している。新学年が始まる9月からは、義務教育(5―16歳)の終了時に受ける統一試験で、日本語が外国語科目の一つとして認定され ることになった。
セルティックには「NAKA」が愛称となっている中村選手に続き、今年1月、水野晃樹選手(22)が日本のJリーグ1部(J1)千葉から移籍。水野選手のファンも増えており、日本語ブームを後押ししそうだ。
英語で「ケルト人の」という意味のセルティックは、カトリック教会の神父らが中心となって1880年代後半に設立した。産業革命で発展したグラスゴーに は当時、アイルランドから多数のカトリック系住民が流入し、貧しい労働者階級となっていた。神父らはこうした状況を見かねて、生活支援の一環としてチーム をつくった。
こういう歴史的な背景もあり慈善活動への意識が高いセルティックは2006年5月、地域の住民や子供を対象にした教育施設の学習センターをグラスゴー郊外のスタジアム施設内に設立。ダンスやパソコン、外国語の教室などを開いている。
日本語ブームに火を付けたのが中村選手。06年11月には欧州チャンピオンズリーグで、イングランドの強豪マンチェスター・ユナイテッドを破るフリーキックを決めたほか、プレミアリーグでの優勝に貢献し、昨シーズンの同リーグ年間最優秀選手に選ばれた。
学習センターのトニー・ラッセル所長は「NAKAの国のことや言葉を勉強したいという声が地域で高まった。高い技術のNAKAは子供たちのアイドルだよ」と話す。
昨年夏、小学生を集めて3回、日本語教室を開催したところ好評。3月からグラスゴー市の支援で対象を中学生に広げた。
小中学生ともそれぞれ約30人で、授業は週1回のペース。小学生の授業では、折り紙や歌、和太鼓を使って日本の文化や言葉に触れることから始めている。
講師役のボランティア、中鉢富美子さんは「体を動かした方が日本語を身近に感じる。子供にはまず関心を持たせることが大事」と説明。引率の女性教師マクロードさんは「和太鼓の音や掛け声は楽しいし、折り紙は手先が器用になりそう」と満足そうだった。 (共同)
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