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浙江在線は8日、中国が目下のところ必要としているのはノーベル賞ではなく、日本の任天堂を大きく伸ばしたような経済分野での人材だとする論説を発表した。現状を考えれば、ノーベル賞受賞者に中国国籍の研究者が選ばれないことで落胆しているべきでなく、国の基礎を着実に固め、経済と科学技術が全面的に伸びれば、ノーベル賞はおのずから近づくと主張した。
同論説は、ノーベル賞は国籍、民族、思想、宗教に関係なく、成果の大きさを評価の対象にする賞だと紹介。中国人がノーベル賞を渇望しているのは、面子(メンツ)の問題だけではなく、中国が科学の分野などで世界の最先端に到達したという「証明」がほしいためだと分析した。
さらに、ノーベル賞、特に科学分野での受賞がないことは「中国の科学技術の真のレベルをよく反映しているものだ」として、「ここに、発表のたびに国民ががっかりする理由がある」と論じた。
同論説は続けて、中国人は中国の現実を直視すべきだと主張。同論説によると、「現在の急務は貧困層をなくすことだ」「ノーベル賞よりも必要なのは日本の任天堂を育てあげたような、企業の人材だ」と論じ、従業員が1000人に満たなかった任天堂が、1994年には税引き前利益が上場企業中第2位としたなどと、同社を紹介した。
同論説はさらに「1個や2個のノーベル賞を取って自尊心を満足させるよりも、国としての基礎固めをする方が、よほど大切だ」、「国全体の経済や科学技術のレベルが向上すれば、ノーベル賞はおのずから近づく」と結論した。
写真は2008年のノーベル化学賞を受賞した銭永健氏。勤務している米カリフォルニア大学での祝賀会で撮影。
銭永健氏は1952年にニューヨークで生まれ、米国籍。中国で「国民的英雄」とされる物理学者、銭学森氏のおいでもある。銭学森氏は1940年代に米国で空気力学の研究が高く評価され、50年代に帰国してからは中国のミサイルや宇宙開発にも貢献した。(編集担当:如月隼人)
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2008-10-09
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